約束_66 ページ14
黒尾side
それぞれがそれぞれに交流を深め、腹を満たし
BBQはお開きとなった
今は全員で片付け中だ
「Aって、案外食べるタイプだったんだね」
「ご飯の時間が1番幸せです!」
食堂から、聞き慣れた明るい声が聞こえる
何故俺が、ウチのマネ様と烏野のマネちゃんの、こんな会話を聞いているのかというと
本当にたまたま、切れてしまったゴミ袋を取りに来た時に、2人の会話が聞こえてしまって、食堂に入り損ねたのだ
今思えば、何も気にせず入れば良かったのだが……
「でも、雪ちゃんには負けるかも〜」
「ううん。負けないくらい食べてたよ」
「それは女の子としてどうなんだろう……」
Aが、チームメイト以外と楽しそうに話しているのが珍しくて、邪魔するのも如何なものかと思ったのだ
……いや、ただどんな話をしているか気になったのもある
Aは友達を多く作るタイプじゃない
本人曰く、暗い性格と、男バレのマネージャーという点が皆気に入らないのだろう、ということだが
実際は多分違う
俺が思うに、2年の時の”アレ”や、時々ある陰口なんかは、モテない女子達の僻みだ
そもそもアイツは明るく活発な性格だ
怪我のせいで色々あったが故に、少し臆病になっただけで
そんなアイツを見てきたからこそ、あんな風に話せる相手が出来たことは、俺を含め3年の連中にとっては喜ばしいのだ
以前まであんなに人見知りしてたのに、なんて
俺は親か!と笑えてくる
「あ、そうだ」
話が一段落つくまでしばらく待つか、と壁に寄りかかっていると、何か思い立ったような潔子ちゃんの声が聞こえた
なんだなんだと、耳を澄ませれば……
「初日の夜に聞いた事、覚えてる?」
初日?……あぁ、Aが女子会してたって言ってたっけ
確か、自分じゃ入れないような話をしていたとか
「黒尾の事、どう思ってる?ってやつ。あれ、今はどう?」
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作者名:ama | 作成日時:2024年3月20日 1時