約束_63 ページ11
そして、合宿遠征最終日
「はいこれ、今の戦績」
「お、さすがA」
「やっぱ今んトコここでの最強は梟谷か……」
「ちなみに、ペナルティ王は烏野ね」
そう言って、生川と烏野の試合に目を向ける
結果は25-23で生川の勝利だ
「ペナルティを熟す姿に異様な貫禄……」
「前回のと合わせて、他と数が全然違うからね」
だが、前回と違うのは、中身
試合内容は、全くもって別物
できることなら梟谷との試合も見ておきたい
が、そろそろ時間だ
「ごめんちょい抜ける〜」
「あん?もうすぐ試合始まんぞ?」
「ん、仕事あってさ」
芝山にスコア付けを任せて
仕事が待ってる食堂に向かう
食堂にはこの試合が休みの生川のマネ、絵里ちゃんがいた
「ごめん!遅くなった!」
「全然いいですよ!試合あるのにすみません!」
「全然!いつも手伝えてないお詫びだから!」
わたし達を待ち受ける仕事とは……
今日のラストに予定されているBBQの準備!!
本格的な準備は全部の試合が終わったら皆でするんだけど、野菜切ったり炊飯器の予約しといたりは早めがいいのでは?という案から、この時間にやっておこうとなったのだ
最初は、マネージャーが全員抜けるのは流石に困るから
2人に絞って交代で、という話だった
が、わたしが、1人はずっとわたしでいいからもう1人の方を交代にしよう、と拒否った
なぜなら……
この合宿中、自主練やら何やらで皆のお手伝いが全然出来ていなかったから!!
毎年毎年、自主練組に付き合うわたしは戸締り当番なのだが、だからといって、洗濯やら片付けやら皆のお守りやらを任せっきりにしていいのか、いや良くない!!
優しいマネージャーの皆は、気にするな、と言うが
そんな訳にはいかないのだ
こんな感じで、こうして2人で準備をしに来たという訳だ
まぁでも正直……
「1試合分の時間あれば結構余裕だよね!!」
「多分!次の試合までには間に合わせたい!」
絵里ちゃんはお料理上手だし
わたしも普段から自炊生活だし
お米洗うのも、野菜切るのも
正直、時間はそんなにかからない
問題は、”量”
男子バレー部、5校分の胃袋相応の”量”!
自分で言い出したことではあるが
本来の自分の仕事が疎かになり続けるのは頂けない
「絶対にこの試合の間に終わらせる!!」
そう意気込んで、玉ねぎに包丁を入れた
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作者名:ama | 作成日時:2024年3月20日 1時