検索窓
今日:591 hit、昨日:414 hit、合計:74,624 hit

約束_35 ページ6

烏野高校との練習試合を2日後に控えた夜
烏野総合運動公園の合宿所にて、わたしは窮地に陥っていた



「ガサガサって音した、絶対した」



流石に男子部員の皆の部屋に寝泊まりする訳にはいかず
女子1人で1部屋使わせてもらっているんだけど



ガタッガタッ


ゴトゴトッ



「やっぱりしてるぅぅ……」



今日の日程が終わった後
部屋に戻るとこんな感じで音がするのだ




「昨日まではしなかったじゃん……!」




音の出処は、布団が仕舞ってある襖の中

正体を確かめるために襖を開けたいのだが




「な、何も居なかったらどうしよう……」




ホラーやらお化けやらが全部ダメなわたしは
部屋の入口から動けなくなっていた

スマホは持ってるから
呼ぼうと思えばいつでも誰かを呼べる

が、しかし、だ


このGW、練習試合漬けで
今日もさっきまで試合していた彼らの手を
皆を支えるマネージャーであるわたしが煩わせていいものか


わたしの答えは”否”である


でもこのままこの部屋で寝れる気もしないし



「やるしかないやるしかないやるしかない……!」



覚悟を決めろ自分!襖に手をかけ……




「その時は覚悟しとけよ烏野ーーッ!!」


「うわっ!!」




そんなわたしの拙い覚悟は
数部屋ごしの山本の叫び声によってかき消された


同時に




ガタガタガタガタガタガタガタガタガタ




張り詰めていたものが、弾け飛んだ




「きゃああああああ!!!」




山本に負けないくらいのでかい声が出たと思う

その声に反応してか、皆の足音が聞こえてきた




「A!!どうした!!?」


「うぅっ、ぐろぉぉ……」




1番最初に部屋に入ってきたクロに泣きつく

一度叫んでしまったらもう無理だった




「おい!大丈夫か!?」


「襖にっ、襖になんかいるっ……!!」


「はぁ?襖?」



わたしの言葉で皆の視線が襖に行く



ガタッガタッ



「ひっ……」


「落ち着け!大丈夫だから。な?海と部屋出てろ。俺が…」


「やだ!ヒグッ、離れないでよぉ……」


「……………………あー、ウン。チョットムリカモ」



ズボッ



「うおっ」


「ひゃああっ!…………って、あれ?」


「……たぬき?」



襖を突き破って出できたソイツは管理人さんに連れてかれた

どうやら換気で開けていた窓から入り込んでいたらしい



「お騒がせしました……」


「黒尾が一番危なかったな」


「やっくん!ストップ!!」

約束_36→←約束_34



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (93 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
448人がお気に入り
設定タグ:ハイキュー , 黒尾鉄朗
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ピンス(プロフ) - とても面白いです!!続き楽しみにしてます! (3月10日 23時) (レス) @page6 id: a7fb103bed (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ama | 作成日時:2024年3月8日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。