昔馴染みとの約束_2

約束_34 ページ5

夕と別れて
教えてもらった通りの道を行くと
ちゃんと待ち合わせ場所のスーパーに着いた




「クロー！ごめんねぇ。研磨、見つかってよかった」


「よかった、じゃねぇ！迷子探しに行って迷子になるんじゃねぇよ！」




着いたはいいが、待っていたのは予想通り
迷子であった研磨と、結構おこなクロだった




「クロ、煩い。……Aも見つかってよかった。ごめん、俺のせいで」


「ううん、今回ばかりはわたしのうっかりだから」




研磨が謝るようなことでは無いが
出会った頃の全然喋ってくれなかったことを思うと
なんだか嬉しい気分だ



「それにしても、よく辿り着けたな」


「あー…………、近所の高校生に道教えてもらった」


「なに？今の間は」


「別に〜」



烏野のリベロ君と会ったことは秘密にしておこう
最終日、試合する時のサプライズになりそうだ



「なんか企んでるだろ？」


「……なんでそう思うわけ？」


「顔に書いてある。お前、相変わらず隠すの下手だな」



なんてニヤケ顔でわたしの頭をポンポンしてくるこの男

ぜんっぜん可愛くない

一瞬でも間違えたことを後悔させられる

やっぱり、夕の方が可愛げがある



けど



こっちの方が落ち着くなぁ、なんて

思ったけど、悔しいからこれも秘密ね




「2人共、早く行こうよ。皆待ってるんじゃないの？」


「おっと、そうだな。とっとと行くか」


「今から行くって海に連絡しとく」


「”わたしも迷子になりました”ってちゃんと言えよ〜？」


「うげっ、絶対夜久にも怒られるやつじゃんか」




夜久は一見優しそうで、実際優しいのだが
怒らせるとめっちゃ怖い


いやこれホントだから


音駒のおかん、なめんなよ



「”クロ1人だと不安だからついて行く”なんて言うからだろ？」


「むぅ……」


「まぁ、お前の案を聞いて1人にさせちまった俺も多少は悪いとは思ってるから、一緒に謝ってやるよ」


「……本当？」


「黒尾さんに感謝しなさいねぇ」



逆にクロはよく怒るけど
根は優しい

こうやって頭ガシガシされてるけど、痛くないし


なんだかんだ甘い男なのだ


音駒のおとん、なめんなよ




「海は、……仏様かな」


「ウン。何の話？？」


「2人共、置いてくからね」

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