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約束_51 ページ22

第3体育館で自主練が始まってからしばらくして
今日のスコアデータをまとめ終わって顔を上げると


「あれ、人が増えてる」


集中していて気づかなかった

あれは確か烏野の……月島君、だっけ


フム、木兎のスパイク練のブロック相手か

月島君は見てる限り、自主練ってタイプじゃなさそうだから、大方クロが何か挑発したんだろう



「読みも良いし、落ち着いていて冷静」



護りの要となるブロック向きの性格だ
現に、一枚ブロックで木兎のスパイクにワンタッチ取れてる

烏野で1番身長あるし、やる気を出せば良い選手になりそう

やる気を出せば、だけど



「あ、クロ入るんだ」



リエーフのレシーブ練してたんじゃ?

そう思ってリエーフの方を見てみると……
あ、潰れてる

まだまだ頑張ってもらわないと、なんだけど
休憩も兼ねて、とりあえずほっとこう



「月島君がストレートしめといて……おー、ドシャット」



クロスにしか打たせないようにして、止める

普段であれば、フロアディフェンスを気にするところだけど
今はブロックしかいないので、止めにいける

止めることに専念すれば
クロだってもっとブロックポイントが取れるのだ



「メガネ君さ、弱々しいんだよな、ブロックが」



うん、木兎は良くも悪くも、素直すぎる奴なのだ

そんな木兎の言葉から始まった、売り言葉に買い言葉
それに終止符を打ったのは、意外にもクロだった



「悠長な事言ってると、あのチビちゃんに良いとこ全部持ってかれんじゃねーの?」


「……それは仕方ないんじゃないですかね〜。日向と僕じゃ元の才能が違いますからね〜」



おや、見かけによらず負けず嫌いだと思ってたけど
月島君は翔陽君に、”負けている”と思ってるのかな

その会話を最後に、体育館にやってきた音駒のメンバーと入れ替わりで、月島君は帰っていった



「珍しいね、クロの挑発が不発だなんて」


「え、やっぱ地雷踏んだっぽい?」


「うん、多分ね」


「デスヨネ〜」



クロは、人の事をよく見てる

他人の行動を観察して分析する研磨とはまた違って
クロは他人の”中身”を察するのが得意だ

それが元の性格からきたのか、それとも育った環境からかはわからないけれど

そんな彼は、人の中に踏み入る度胸はあるくせに
上手くいかなかった時に割り切るのは下手くそだ


不器用な男だと思う
そんな彼だから、わたし達の主将なのだけれど

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ピンス(プロフ) - とても面白いです!!続き楽しみにしてます! (3月10日 23時) (レス) @page6 id: a7fb103bed (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ama | 作成日時:2024年3月8日 17時

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