昔馴染みとの約束_2 (ページ2)

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約束_31 ページ2

クロの言葉に聞く耳を持たず
行きたい行きたいと駄々をこねるリエーフ

「(む、り！！)」

なんて口パクでクロから訴えられてしまった
押し付けようと思っていたのに！！

もう、仕方ない

「リエーフ」

「Aさん！連れてってくれるんですか！？」

「監督の指示だから無理。ところで……アンタまさか、この間わたしの顔面に、レシーブミスしたボールぶつけたの、忘れた訳じゃないわよね？」

「えっ！あ、あれはだって、俺がプリン奢って許してもらったんじゃ……」

「えぇ。許しはしたけど……忘れた訳じゃ、ないからね？」

「ヒェッ……ゴ、ゴメンナサイ！！」

「……今行っても、貴重な練習時間をただ立って過ごすことになる。バレー始めたばっかで基礎がまだまだなんだから、とりあえず基礎練！試合はその後！！」

試合を見ることは、決して何も得ない訳じゃない

ただリエーフは、まだその場所じゃない

遠征費だってタダじゃないんだから

今回はダメ

「うぅ……、お留守番してます……」

ここまで言ってようやく折れてくれた

行きたい気持ちは勿論わかる
可哀想ではあるが、監督の決定なのだ

つまりはそういうことなのだ

「ん。お土産、買ってきてあげるから」

「マジっすか！！俺、牛タンが良いです！！」

……可哀想とか言ったの、間違いだったかも

「………リエーフ、お前ヤベェな」

「何がっすか？猛虎さん」

山本と同じことを考えていると

プリントを見ていた海が顔を上げた

「……この最終日に試合する烏野って、あの烏野か？」

「うん。今回の練習試合は、その烏野高校からの申し出みたい」

「おぉー！話に聞く、”ゴミ捨て場の決戦”ってやつか！」

「夜久の言う通り。監督も楽しみにしてるみたいだったよ」

昔はよく練習試合を組んでいた相手

猫vs烏

付いた名前が”ゴミ捨て場の決戦”

音駒高校バレー部では有名な話だった

「んじゃ話もそこそこに、練習再開だ。遠征も決まったことだし、気合い入れていくぞお前ら！！」

「「オェーイ！！」」

クロの号令で皆は練習に戻っていく

わたしも自分の仕事をしなければ

「楽しみだな、”ゴミ捨て場の決戦”」