約束_7 ページ9
「天雲〜まだいるか〜」
「いえ、帰ります。先生さよなら〜」
「いや待て待て」
クロが去ったと思いきや今度は担任である風早恵莉
通称エリちゃん先生に呼び止められる
わたし早く帰りたいんだけど
「ちょっとこの課題まとめるの手伝ってくれる？」
「わたしじゃなくてもイイデスヨネ」
「お前、日直じゃん。アタシの仕事手伝え」
「それ、職権乱用ですよ先生」
結局、抵抗虚しく先生のお手伝い係に任命されてしまった
どいつもこいつも諦めが悪い
わたしもだけど
「入学して1週間経つけど調子どーだ？」
「普通ですよ先生」
「先生それ以外の回答を求めてんだよ。お前教室で誰かと喋ってるとこ見ないからさ〜」
「入学してすぐなんてそんなもんですよ」
「いやいや入学してすぐが1番友達できるだろ」
「そうですかね？」
考えてみれば、昔からあまり友達は多くなかったと思う
ぼっちって程じゃないけど、皆親しいと言える程ではなくて
バレーを辞めてからは友達がより少なくなった気もする
「でもさっきの男子とはよく喋ってるよな。何の話？」
「……バレー部のマネやらないかって」
「おぉーいいじゃん。やってやれよ」
「やりませんよ」
「お前のことは、受験の時の書類に書いてあることしか知らないが……」
「？」
「人生1度きり、なかでも高校生活は宝物だぜ？」
そう言って、先生は綺麗な白い歯を見せて笑って
「後悔のないようにしろよ？」
わたしの頭をわしゃわしゃと撫でた
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作者名：ama | 作成日時：2024年2月21日 12時
