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約束_2 ページ4

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『もう、バレーボールは出来ないでしょう』


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東京都立音駒高校

わたしが今日から通う高校だ



わたしが実家から離れたこの高校を受けた理由は2つ


1つは、わたしの出身中学から音駒を受ける人は比較的少ない為、知り合いにあまり会わなくて済むから


もう1つは、



「入部希望、待ってまーーす!!」


「マネージャー歓迎しまーーす!!」




この高校には、女子バレーボール部がないからだ




「あ、君!サッカー部のマネージャーに・・・」

「いやいや!是非ともテニス部に!!」



「すみません、どちらも遠慮します」



やはり入学式は絶好の新入部員勧誘の場のようで
在校生が新入生に声をかける姿がそこら中に見られる



まぁ、わたしには関係の無い話だ



もう声をかけられないように、足早に校庭に張り出さたクラス分けの前に行き、自分のクラスを確認して校舎の中に入った


こういう時、自分の苗字は楽だな、と思う
”あ”から始まるから、ほとんどの名簿の上の方にあって見つけやすい


「1年1組、1番っと」


校舎に入って靴箱を見つけ、上履きに履き替えて
1年生の教室がある3階へ向かう



階段を昇りながら、1つの懸念を思い浮かべる

それは、夢の中の少年が
この高校に進学しているかどうか


可能性は大いにある
だって、彼は音駒の地区に引っ越していたし、中学も音駒だった筈だから


何より、お母さんがわたしの一人暮らしを許したのは
その可能性を信じたからだと思う


元々、親同士が仲が良くて
加えて毎年欠かさず年賀状を送り、定期的に手紙を寄越す彼に、母は好印象を持っていた


その考えに至った時にはもう進路は決まっていて、
それ以外に選べる高校もなかった



「ま、直接会ったのはあの時以来だし、この高校に居たとして、向こうもわたしには気づかないでしょうよ」


わたしが送った年賀状も写真付きでは無かったし
あれからだいぶ時間が経った


分かるわけないでしょ


そう腹を括って、教室に入り
自分の出席番号の札が置いてある、廊下側の1番前の席に座る


空気の入れ替えの為か、開かれた窓から入る風が心地良い


何気なしに自分とは遠い、反対側の窓を眺めていると



「お前、初日からその頭は気合い入れすぎだろw」


そんな声が聞こえて


「あー…、これね、寝癖なんですわ」


聞き覚えのある言葉を、聞いてしまった

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作者名:ama | 作成日時:2024年2月21日 12時

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