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約束_20 ページ22

あれから言葉通り、電車に乗って街まで行き

最寄りの映画観やらショッピングモールやら
色々教えてもらって、今はそのショッピングモールから出たとこだ


土曜日ってこともあって街中は人でいっぱいで
はぐれないように歩くのがすごい大変だった

動きやすい服装で来て正解だったな



「まぁ、ここら辺は一通りこんなもんだな」


「……東京は大変だね」


「ん?……あぁ、建物も人も多いからなー。歩くの疲れただろ?そろそろ昼時だし、なんか食う?」


「ん、食べる」



ずっと歩いてたからお腹空いた
この空腹の状態で、またこの人混みの中を歩くことを考えると非常に億劫だけどしょうがない


はぐれないようにしなければ、と覚悟を決めていると
目の前にクロの手が差し出された



「ん」


「?」


「ん!」


「??」



訳も分からず差し出された手に
どうしたらいいかわからなくて



「お手??」



なんて、犬のマネをしてグーにした自分の拳を乗せると
「ブファッッw」と笑われてしまった


ちょっと……、いやだいぶ、恥ずかしいんだけど



「はっはっはっ!はぁ……ちげーよ。こっち」


「へっ」



クロの手に乗せた拳が


クロの手によって解かれ


そのまま繋がれた



「俺は背が高ぇからお前からは見つけやすいかもだけど、俺からお前を見つけるのはこの人混みじゃ難しいからさ」



”はぐれないように。な?”



わたしの手を握って、そう説明するクロの言葉を
わたしは多分あまり聞いてなかったと思う



だって、

クロがそんな優しい顔で笑うことも

クロの手が、こんなに大きくなってたことも

全部知らない



「……ん」



昔、こんな風に手を繋いだことは何度もある

でも、あの頃とは違う


今日は、わたしの知らないクロばかり見てる気がする

つい昨日
変わってないとこもあるんだなって思ったばかりだったけど

やっぱり、変わってるとこの方が多くて



戸惑いと、不安と

自分だけが止まってしまった焦り


そして

何故かドキドキしてるこの心臓の音が



どうか伝わりませんように



そう心の中で願った

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作者名:ama | 作成日時:2024年2月21日 12時

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