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約束_1 ページ3

「夢、か……」


引っ越してきたばかりでまだ慣れない天井を見留め
先程の光景が夢だったと認識する


「………はぁ、起きよ」



現在、AM6:00


今日は東京都立音駒高校の入学式だ

高校入学に合わせて近くの家を借りてもらったわたしは
現在一人暮らしであり、朝の準備等は1人でやる



とりあえず顔を洗って、朝ご飯の準備を始めたわたしは
卵焼きを焼きながら先程の夢について考える



「何回目になるかなぁ、あの夢も」



あの夢を見るのは初めてじゃない


小学校の低学年までは家も近所でスポーツクラブも一緒だった彼が、引っ越した日の夢

彼が引っ越した日から幾度となく見てきた夢


忘れたくても忘れられない約束


「なーんて、覚えてるのはわたしだけだったりして」


白ご飯と味噌汁、弁当に入り切らなかった卵焼きを並べながら、自嘲気味に言ってみる




いいんだもう、別に




もうだいぶ前の話だし



8歳だったし



彼との繋がりも年賀状や手紙だけだったし



その繋がりも、わたしから勝手に切っちゃったし



部屋に転がってる”アレ”もお母さんが勝手に入れたんだし



どうせもう、バレー出来ないんだし



「もう忘れたくて、1人でここに来たんだし」



そう呟いて、卵焼きの最後の1切れを飲み込んだ

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作者名:ama | 作成日時:2024年2月21日 12時

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