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約束_17 ページ19

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『ねーねー俺とお出かけしよーよーー』


『わかったから!行くから!もう家まで着いちゃったよ!』


『え、ここ?俺の家すぐそこ』


『はぁ!?』


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”明日10時にお前ん家迎え行くから”



昨日スマホに届いたメッセージを見ながら
昨日の会話を思い出す

現在、約束の時間の3時間前だ



「…………早く起きすぎた」



これじゃあ、久しぶりに昔馴染みと遊ぶからって楽しみにしてるみたいじゃないか

はしゃいでいる訳じゃない、決して


そう自分に言い聞かせていると
スマホが着信を知らせるために震えた



「……お母さん?」



画面を見ると母からの着信だった
こんな朝早くに珍しい



「もしもし」


『もしもしA!元気にしてるかしら?朝早くにごめんなさいね』


「うん、元気だよ。どうしたの?」


『貴方が居なくなって寂しくなっちゃったから声が聞きたくて』


「いや、彼氏か」



我が母ながら、朝から元気だな
そして会話が若々しい



『いいじゃない別に!それより、今日は土曜日ね。友達と遊んだりするの??』



いや、明るく振舞ってるだけかも
友達ができないわたしを心配してくれてるのかもしれない



「……お母さん、音駒にね、居たよ、クロ」



女手一つで育ててくれて
わたしの我儘を許してくれる母を
少しでも安心させてあげたかった

クロがいると思ったから音駒に行かせてくれた母は
きっと気にしていただろうから



「今日はね、クロとお出かけなの」


『あら!本当?良かったわねぇ。もしかして、楽しみで早く起きちゃったの?』


「……そうかもね」



今日、クロには話さなければいけない気がする
この1週間、ずっと聞きたそうにしていたから

わたしが、バレーをやめた理由



「お母さん、わたし、ちゃんと話せるかな」



ベッドの横に転がったバレーボールを
拾い上げて抱きしめる

これだけが、彼とわたしを繋ぐものだった



『A。鉄朗くんは、ちゃんと聞いて、受け止めてくれるわ。だから、大丈夫よ』



やけに確信を持って言う母を不思議に思いながら
そうだといいなって、思う




「……うん。じゃあ、準備があるから、またね」

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作者名:ama | 作成日時:2024年2月21日 12時

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