昔馴染みとの約束

約束_13 ページ15

「ねぇ君、1年生だよね？バレー部入部希望？？」


「俺たちのマネージャーなってくれるの？」



現在、PM8:30

音駒高校の校門の前で
練習の片付けをしてるクロを待っているんだけど



「えっと、さっき体育館にいた方々で、先輩、ですよね？」


「そっ、俺ら3年生だよ」


「片付け、終わったんですか？」


「片付け？それは１,２年の仕事だから」


「俺らは自分の片付け先にしといて戸締りして終わりだよ」




……この人達、片付け後輩にさせるもんって思ってんのか




「良かったら、黒尾じゃなくて俺らが送ろっか？」


「………………ﾌｩｰ、スミマセン、わたし人見知りナノデ」




言いたいことはある、が、

我慢、我慢だ
部活動ではよくある事だ


わたしは部外者だし

クロの立場も考えてあげなければならない



「そっかぁ、また練習見に来てね？」


「また機会があれば」



案外あっさりと解放してくれたな

段々と小さくなる後ろ姿を見ながら
先程の我慢を少しずつ吐き出す



ドリンクの準備とか、スコア付けとかならまだわかる


だけど片付けってそういうのと違くない？


あんたらも使ったコートと体育館でしょ？


そりゃ後輩は率先して先輩より先に動くでしょうよ


でもそれが当たり前って違くない？


さっきの言い分だと自分達だけ先に着替えて


後輩が片付け終わったら体育館閉めてるってこと？


先に出てきたってことは部室の鍵とか後輩に任せてんの？


いや有り得ないんですけど


自主練してるとかならまだ分かるけどさぁ



「だいたい……」


「お嬢さん、お口悪いデスよ」


「うわぁぁぁ！！？」



く、クロ！？

いつの間に！？



「貴方が悪口に夢中になってる間に？」


「もうちょい気配を出してよ！！」





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