約束_11 ページ13
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『バレー、嫌いになったの?』
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猫又先生の問いが、クロの言葉と重なる
なんでみんな、”嫌いか”って聞くの?
まだ、”好きか”って聞いてくれた方が
こんなに苦しくならなくて済むのに
わたしに嘘が着けたなら
こんな気持ちに、気づかなくて良かったのに
「……嫌いに、なりたかったんです」
でも、無理だった
だから逃げた、バレーボールから
「お嬢ちゃん、マネージャーに興味無いか?」
「マネージャー、ですか……」
「ウチはマネージャーがいないからなぁ。選手の負担がチィとばかし大きいんだ」
出来なくはないと思う
選手がやっている仕事を引き受ければ
クロ達は今よりはバレーに集中することが出来ると思う
でも、向いていないと思う
きっと、純粋に応援できないから
コートに立つ姿を見て、バレーをする姿を見て
”羨ましい”と、思ってしまうから
「……考えさせてください」
でも、優しく微笑む猫又先生を見て
断りきることも、出来なかった
「ほっほっ。今はそれで十分だよ」
その言葉を最後に、それから練習が終わるまで
猫又先生が話しかけてくることはなかった
わたしも、黙って練習風景をただ見ていた
複雑な気持ちを抱えながら
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作者名:ama | 作成日時:2024年2月21日 12時