約束_9 ページ11
開かれた扉を覗くと
部活動特有の熱気を肌で感じた
今はレシーブ練習中みたいだ
クロも、ちゃんとその中に居て
わたしを見て驚いた後、先輩達にバレないように手を振った
「夜久！戻ったなら早く練習入れー」
「はい！じゃ、俺練習戻るから。監督あっちな」
「あ、うん、ドーモアリガトウ」
「なんでカタコトw」
そりゃあ、アンタがわたしの思惑ぶち壊してくれたからだろ
なんて言える筈もなく、夜久くんは練習に戻って行った
戻る時に、端の方に人数分のボトルを置いたのを見て
夜久くん、みんなの分のドリンク作りに行ってたのか
と、今更ながらに気づいた
マネージャーいなかったら
ああいうことは１,２年生の選手達がやらなければならないだろう
大変だろうな、と率直に思った
集中して練習するのも難しいだろうし
試合の時とか色々準備あるだろうし
練習試合のスコアとか控えの選手が書かないと……
…………いやいやいやいや
その場の空気で流されちゃダメダメ
とりあえず、ここに来た目的を果たさなければ
「あ、あの、猫又……先生？」
そもそも先生でいいのか呼び方
でもバレー部でもないのに監督呼びは変だし
「おっ、なんだ、俺に用か？」
「あ……っと、忘れ物を届けに来て」
「忘れもん？」
心当たりがなさそうなその人に
預かっていたファイルを手渡す
「んん〜？こりゃあ別に忘れたもんじゃ……ん？」
「？」
「はっはっはっ！なるほど、そういう事か」
え、なにどういうこと
なんでわたしを見てニヤニヤしてるのこの人
「あ、あの……」
「お嬢ちゃん、これは誰から預かった？」
「クラスの担任の、風早先生からですけど……」
「そーかそーか。良い先生だな」
「？？？」
さっぱりわからん
ファイルの中身を見ていきなり笑い出した猫又先生が何考えてるのか全然わからん
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作者名：ama | 作成日時：2024年2月21日 12時
