世界で1つ、貴方だけが欲しい (ページ15)

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episode.13 ページ15

「きゃっ」

「おっと」

標的の2人の前で躓いてみせる

「大丈夫かい？」

「あ、ありがとうございます」

「君、1人なのかい？」

「連れとはぐれてしまいまして…」

「それはいけない。……よければ私と一緒にどうかな？」

「よろしいんですか？」

「勿論さ」

引き付け成功
何らかの癖があるやつは引っ掛けるのも簡単だ

「もう、お父様ったら……あら？あの方は！」

彼女の方もシャルを見つけたみたいだ
一目散に駆けていった

「あいつも私に似て、好きな物に目がないな」

「……良い事だと思いますわ」

その気持ちはわからなくもない
あんなに素敵でかっこよくて可愛いシャルがいたら
わたしだって追いかける

「では、私達も一杯…」

「申し訳ありません。お酒は苦手で…」

そう言いながらオレンジジュースを手に取る
実際お酒は苦手だ
3%の缶チューハイ1本でダメになるくらいには

ただでさえ今は仕事中
気を抜いてはいられない

「おや……それは残念」

「すみません…」

「いやいいんだよ。……じゃあこちらのチョコレートはどうかな？私のオススメなんだ」

「まぁ。チョコは大好物なんです。頂きますわ」

繰り返そう、過去のわたし
今は仕事中だ