学園の不良グループ”蜘蛛” (ページ10)

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第一印象はチャラそうページ10

ー1年前ー

中等部から入ったこの学園で
わたしは今日から高等部になった

編入ってこともあってか……ん？いや、関係ないか

今の今まで友達なんて出来たことがないから
わたしはいつも通り、今日も1人でこの門を潜るのだ

ｻﾞﾜｻﾞﾜｻﾞﾜｻﾞﾜ

しかし門を潜ったそこは、決していつも通りじゃなかった

『ね〜、あの人達カッコよくない！？』

『顔面レベル高っ！』

どうやら周辺の女子生徒達をワーキャー言わせるイケメン集団がいるみたいだ

「……うるさいなぁ」

興味本位で騒ぎの中心を確かめてみると、
どうやら4人組の男子生徒らしい

額を布で覆い、ブレザーの前を開けた黒髪長身

ベージュのセーターを着て、案外ガタイの良さげな金髪眼鏡

黒マスクに両耳ピアス、ブレザーの下に黒パーカーの低身長

ブレザーではなくジャージを着た、金髪眉なしオールバック

うーん、見たことないなぁ

この学園は規模が大きい分、人も多い
3年間で同じクラスになる人の方が少ないから、知らない人がいるのは普通だ

ふむ、みんな顔は良い……のか？
正直、”カッコイイ”とか”イケメン”とかよくわかんない
人の顔を見て評価を付ける必要なくない？

とりあえず1つわかってることがある
あぁいうのは関わるとろくな事がない

あんなのに関わったが最後、途端に女子生徒達の嫉妬の荒波に飲まれてしまうだろう

「そんなのつまんないよ」

わたしが求めるのは面白いこと
わたしを楽しませてくれるものだ

そんなしょーもないことに付き合ってられるか

「…って思ってたのに、アンタが隣かよ。金髪眼鏡くん」

「えっ、確認だけど、まったくの初対面だよね？」

失礼じゃない？とボヤく金髪眼鏡を完全スルーし
新しいクラスの新しい自分の席に着く

ちらっと周りを見てみるとチビと眉なしもいた

先程、女子を騒がせていた内の3人はどうやらわたしと同じクラスで、1人は隣の席らしい

高等部はクラス替えがない(学園長がクラス分けをする為)から、3年間この3人とはずっと同じクラスってことになる

「ま、もういいや。とりあえず、わたしを”しょーもないこと”に巻き込まないでよ」

「さっきから言ってるけど、ほんと失礼じゃない？」

だってしょうがないじゃない

わたしは知ってる
この流れの定番は何をしなくても起こるんだよ

「……にしても早くない？」

放課後
自身の下駄箱に入っていた紙を見て、ため息が出たのはもうしょうがないよね？