学園の不良グループ”蜘蛛” (ページ25)

今日:2 hit、昨日:8 hit、合計:1,014 hit

だけどやっぱり事前に連絡はしろページ25

マチside

「で、いったい何の用だい？」

休日にも関わらず突然部屋に押しかけ
パクノダのとこ行こう、と言い出したAに問いかける

ちなみにコイツの”これ”は頻繁に起きるので
これから何をするかはわかってる

聞きたいのはその中身だ

「いや、女子会したいなって」

「ん。内容は？」

「それはみんな集まってからのお楽しみだよ〜。パクとシズクには言ってあるからさ！」

「あたしも連絡くれるだけでいいんだけど」

「えぇ〜、わたしはマチと一緒に行きたいの！部屋近いんだしいいじゃん！」

「当日にいきなり押しかけるのをやめろっつってんの」

相も変わらずというか
やはりAとの会話は要領を得ないというか、少しズレている

原因は、自分のやりたいと思ったらやってしまうその性格

自分を中心に世界が回っている、というより
自分の世界しか見る気がないのだろう

「ったく。アンタが当日に押しかけるせいで、ろくな準備もできやしない」

「どうせたいした準備しないじゃん。今日もいつも通りのジャージじゃん」

「…………そういえば、シズクは初参加だね」

「あー！話逸らしてんのバレてんだからね！」

なんで付き合ってやってるのかって？
コイツは、”自分良ければ全てよし精神”のくせに、意外と人のことをちゃんと理解して行動するところがある
それ故に邪険にできないのだ

「ところで、その両手にあるデカい袋はなんだい？」

例えば、今日のコイツの荷物
あたしの勘が正しければ……

「あ、これ？こっちがお菓子で〜、こっちがケーキ！」

「……甘いのばっかじゃないだろうね」

「ぜーんぜん！マチにはチーズケーキとフルーツタルト！甘すぎない味が好きだもんねぇ。パクにはショートケーキとティラミスで〜、シズクの好みはちょっとわかんなかったから手当り次第で買ってきた！」

「はぁ……。ほんっとにそういうとこだよ、アンタ」

そう、そういう所である

もう片方の袋をには塩気のあるものが沢山見えるし
洋菓子、和菓子など種類を問わずに詰め込まれていそうだ

本当に、そういう所である

「で、いくらだい？どうせ全部自腹なんだろ。半分くらいは出してあげるから」

「いやいやいや！いいよいいよ全然。どうせ半分はわたしが食べちゃうし」

「じゃあ袋半分寄越しな。並んで歩きづらいだろ」

「え、ほんと？マチってば優しい！好き〜！」

「……うるさいよ」

出会って1年
その性格は面倒だが、嫌いにはなれないだろうと思う