学園の不良グループ”蜘蛛”

貴方は何を見せてくれる？ ページ12

「そう？ま、なんでもいいけど。俺はシャルナーク。長いからシャルでいいよ」

「じゃあシャル。1つ質問があるんだけど」

「ちょっ、ちょっと私を無視してんじゃ……っひ」

「あ゛？」

何か言いかけてるソイツを無言で睨みつける
先程までのイライラがもう”プッチン”してるから
我慢なんてもうしない

パタパタ逃げてくソイツを見ることもなく
席に座ってシャルに視線を戻す


「シャルってなんでそのキャラやってんの？」

「ん？どゆこと？」


初めて見た時、初めて喋った時から気になってたこと


「マヌケそうな顔してるクセに全く油断も隙もない。チャラけたキャラしてるけど、中身そーとー真っ黒でしょ？」


多分アンタら4人共そう

自分に向けられた視線の一つ一つを見分けて、その度合いを判別することも簡単なはずだ

そしてコイツは
多分、自分が有利に立てる情報を欲しがってるって感じ
人の揚げ足とることしか考えてなさそう


「……へぇ、案外鋭いんだね。でもいくつか訂正させてもらうよ」

「どーぞ？」

「まず1つ。俺のこの性格は正真正銘の”素”だよ。俺は仲間の中でも素直だからね。」

「じゃあその”表”が、隠すつもりもない”裏”って訳だ」


つまりは、隠すつもりはサラサラないし
見たまんまに胡散臭いということか


「っていうか、猫かぶってんのはそっちだろ？」

「ん？」

「大人しそうに振舞ってるだけで全然そんなことない。その実、心の中では自分の感情と興味に忠実だ」

「……別に猫かぶってる訳じゃないよ。ただ……」

「……？なんだよ？」


確かにわたしは自分の心に忠実だ
やりたくないことはやらないし、気に入らなければ受け入れない


「……面白いこと、起きないんだもん」

「面白いこと？」

「そう。今まで生きてきた中で、面白いことがぜんっぜん起きない。たまに起きることといえば、さっきみたいなつまらないいざこざばっかり」


正直、飽き飽きしてる
わたしはただ、心から”楽しんでみたい”だけなのに
わたしの心を踊らせてくれるものを見つけたいだけなのに

居場所がほしい、だけなのに


「じゃあ、俺が見つけてあげようか？」

「……え」

「面白いこと。今までの人生の中で多分1番面白いって感じると思うけど」

「いや、そんな簡単に見つかるなら苦労してないんだけど」


ｶﾞﾗｶﾞﾗ


「あ、噂をすればだ」

「え？」


「お前がAか？単刀直入で悪いが……」



” お前、俺達の仲間にならないか？”


……は？

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