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「余計な気?」

「いや……何でもない」

「なんですか。
言いかけてやめられたら気になります」

「……ふたりで寝るかもしれないって
考えたんだろ。
これ以上言わせんな」



ふてくされたようにそう言われて、首を傾げる。

ふたりって誰と誰だろう、と考えて、
思い至ったことに顔から火が出そうになった。

ひとりはもちろん私だろうし、
私と一緒に寝る可能性があるのは
『婚約者』である広臣さんだけだ。

もちろん私たちの婚約は仮初めのものなので
そんなことは起こりえないけれど、
お祖父様は本当のことを知らないままだったので
そう勘違いされたのも無理はない。

とはいえ広臣さんと一緒に眠るだなんて
想像するだけで恥ずかしくて、
何も言えずにいるとため息の音が聞こえる。



「……まあ、
こんなレースとフリルまみれのベッドで
寝たいと思う男はなかなかいないだろうけど」

「そ、そうですよね……」



天蓋にかかっているレースカーテンに、
フリルつきのクッションと枕。

ベッドカバーもフリルに覆われていて、
女の子からしたら
可愛くてたまらないベッドだけど
男の人がここで寝るのは
拷問に近いのではないかと思う。



「気に入らなかったら買い替えていいよ」

「えっ」

「他の部屋も好きにしていいから。
ここはもうお前の家だし」

「そんな、とんでもないです。
せっかくお祖父様が
用意してくださったお部屋ですし……」



こんなに豪華で可愛いお部屋に
不満なんてある訳がない。

それに、寝起きするのに
ひと部屋あれば充分だから
他の部屋なんて、と考えて、ふと気づく。



「広臣さんのお部屋もありますよね?」

「ああ、あるけど。
必要なもんは何も置いてないから
何でも捨ててくれていいよ」



子供の頃から過ごしたであろう
お部屋のことなのに、
広臣さんには何の思い入れもなさそうに
平然とそう言った。

それを訝しく思っていると、
私の顔を見た広臣さんが苦笑する。

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設定タグ:三代目JSoulBrothers , 登坂広臣 , 岩田剛典   
作品ジャンル:恋愛
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月葉(プロフ) - いきなり失礼します!更新はもうなさらないのでしょうか?続き楽しみにしてました… (2020年5月17日 15時) (レス) id: 1f27303c9f (このIDを非表示/違反報告)
なつめ(プロフ) - なおさん» コメントありがとうございます!臣くんピッタリと感じていただけてご本人様に畏れ多いですがとってもうれしいです♪できるだけお待たせしないよう更新がんばろうと思いますので、これからもどきどきして楽しんでいただけるとありがたいです! (2019年12月27日 22時) (レス) id: ffc639491f (このIDを非表示/違反報告)
なつめ(プロフ) - ゆかさん» 更新遅れがちですみません(>_<)どきどきしていただけてうれしいです!最後まで楽しんでいただけるようがんばりますのでこれからもよろしくお願いします♪ (2019年12月27日 22時) (レス) id: ffc639491f (このIDを非表示/違反報告)
なつめ(プロフ) - aggyさん» 広臣さんがめずらしく天然な感じで、私もその部分はお気に入りです♪なかなか終わりまでが遠いのですが、そこまで楽しんでいただけるようがんばります! (2019年12月27日 21時) (レス) id: ffc639491f (このIDを非表示/違反報告)
なお - おもしろすぎて二回読みました!ほんとにドキドキします!私が想像している臣くんにぴったりでとても良いです!!とにかくこの作品がだいだいだいだいだいだいだいだいだいだいだいだいだいだいだーーーーいすきです!!!次回もものすごく楽しみです! (2019年12月23日 14時) (レス) id: 8021a8f0f2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なつめ | 作成日時:2019年11月27日 18時

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