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「今、臣と佐野さんが
足止めしてんだけどさぁ、
お姫様とふたりで話させろって
すげーしつこく言ってたよ。
そんなんさせる訳ないじゃんね」

「本当にすみません……」

「ううん、佐野さんはそういう仕事だし。
臣だってお姫様のこと守りたくてやってんだから
気にしなくていいよ」



そう話しながら手を動かして、
隆二さんはいくつか段ボールを組み立ててくれた。

「また取りに来るから荷造りがんばってね」と
私に声をかけ、部屋を出て行く。





母親がほしがっている登坂家の財産は
お祖父様ががんばって働いて手にしたものだ。

そんな大切なものを
取り上げられる訳にはいかない。

だけど、広臣さんと佐野さんに
来てもらえなかったら
私は母親に閉じ込められたまま家を出られず、
怒り狂う母親が怖くて
言いなりになるしかなかっただろう。

突然引っ越すことになったのはびっくりしたけど、
家から出る手伝いをしてもらえることは
有難いことだ。

そう思って、荷造りに取りかかった。





部屋を見渡して
何を持って行くべきか考えたけれど、
机や椅子といった家具は登坂邸にあるだろうし
身の回りのものだけでいいだろう。

とはいえ、私個人の物というのはそんなになくて
制服や教科書といった学校関連のもの、
必要最低限の服、本などを入れると
段ボール3箱であっという間に
荷造りは終わってしまった。

部屋から出るなと言われたので
手持ち無沙汰にぼんやりしていると、
また隆二さんがやってきて
「荷物こんだけ?」ときょとんとする。



「まあ服とかは新しく買うって言ってたけど、
それにしても少ないな……
欲しいもんあったら臣に買ってもらいな」

「そんな、そういう訳には、」

「これじゃ健ちゃんの車いらなかったなー」



そう呟いた隆二さんが段ボールを抱え、
また部屋を出て行く。

すると入れ替わりに兄が来て、
残っている段ボール箱を見て
「荷物少なっ」と目を見開いた。

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設定タグ:三代目JSoulBrothers , 登坂広臣 , 岩田剛典   
作品ジャンル:恋愛
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月葉(プロフ) - いきなり失礼します!更新はもうなさらないのでしょうか?続き楽しみにしてました… (2020年5月17日 15時) (レス) id: 1f27303c9f (このIDを非表示/違反報告)
なつめ(プロフ) - なおさん» コメントありがとうございます!臣くんピッタリと感じていただけてご本人様に畏れ多いですがとってもうれしいです♪できるだけお待たせしないよう更新がんばろうと思いますので、これからもどきどきして楽しんでいただけるとありがたいです! (2019年12月27日 22時) (レス) id: ffc639491f (このIDを非表示/違反報告)
なつめ(プロフ) - ゆかさん» 更新遅れがちですみません(>_<)どきどきしていただけてうれしいです!最後まで楽しんでいただけるようがんばりますのでこれからもよろしくお願いします♪ (2019年12月27日 22時) (レス) id: ffc639491f (このIDを非表示/違反報告)
なつめ(プロフ) - aggyさん» 広臣さんがめずらしく天然な感じで、私もその部分はお気に入りです♪なかなか終わりまでが遠いのですが、そこまで楽しんでいただけるようがんばります! (2019年12月27日 21時) (レス) id: ffc639491f (このIDを非表示/違反報告)
なお - おもしろすぎて二回読みました!ほんとにドキドキします!私が想像している臣くんにぴったりでとても良いです!!とにかくこの作品がだいだいだいだいだいだいだいだいだいだいだいだいだいだいだーーーーいすきです!!!次回もものすごく楽しみです! (2019年12月23日 14時) (レス) id: 8021a8f0f2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なつめ | 作成日時:2019年11月27日 18時

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