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「本日はAさんを
引き取りに参りました」

「……は?」

「以前お話した通り、
Aさんは我が登坂邸を
相続することになります。
庭園の管理をしてもらうことが
相続の条件でしたので、
これから登坂邸に移っていただきます」



思いもかけない言葉に
呆気に取られる母親と私には構わず、
広臣さんはスマートフォンで電話をかけ始めた。

「今からよろしく」と
広臣さんが短く指示を出すと、
物音がして応接間に兄が入ってくる。



「A、おいで。荷物まとめるよ」

「え、ちょっと、意味分かんないんだけど」



兄に手を引かれて
自分の部屋に連れて行かれる。

何が起こっているのか理解できなくて
困惑していると、兄は悪戯っぽく笑った。



「臣さんが登坂邸から親を追い出したから
今からお前はお引越しすんの。
このままこの家に置いといたら、
財産狙いの鬼婆に何されるか分かんないだろ?」

「えっ、」

「もうこの家には
二度と戻ってこなくていいように、
全部荷造りして。
段ボール持って来るからそれに入れな。
荷物は隆二さんと健二郎さんが
運んでくれるから待ってて。
あと、護衛の人呼んでくるから
荷造り終わるまで部屋から出るなよ」



言うだけ言った兄が部屋を出て行き、
ひとり取り残された。









私が相続した財産を得られないと分かった母親は、
さぞかし怒り狂っていることだろう。

そう思うと、長年染みついた習慣で
ついビクビクしてしまう。

部屋を出て母親と顔を合わせることが怖くて、
不安な気持ちを抱えたまま
床に座り込んでいると
やがて段ボールをたくさん抱えた隆二さんが
私の部屋にやってきた。



「話には聞いてたけどお母さんすごいね。
超怖ぇー」



そう言いながらも、
隆二さんは可笑しそうに笑っている。

思わず「すみません」と謝ると、
「いやいや、お姫様が謝ることじゃないけど」と
優しく答えてくれた。

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設定タグ:三代目JSoulBrothers , 登坂広臣 , 岩田剛典   
作品ジャンル:恋愛
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月葉(プロフ) - いきなり失礼します!更新はもうなさらないのでしょうか?続き楽しみにしてました… (2020年5月17日 15時) (レス) id: 1f27303c9f (このIDを非表示/違反報告)
なつめ(プロフ) - なおさん» コメントありがとうございます!臣くんピッタリと感じていただけてご本人様に畏れ多いですがとってもうれしいです♪できるだけお待たせしないよう更新がんばろうと思いますので、これからもどきどきして楽しんでいただけるとありがたいです! (2019年12月27日 22時) (レス) id: ffc639491f (このIDを非表示/違反報告)
なつめ(プロフ) - ゆかさん» 更新遅れがちですみません(>_<)どきどきしていただけてうれしいです!最後まで楽しんでいただけるようがんばりますのでこれからもよろしくお願いします♪ (2019年12月27日 22時) (レス) id: ffc639491f (このIDを非表示/違反報告)
なつめ(プロフ) - aggyさん» 広臣さんがめずらしく天然な感じで、私もその部分はお気に入りです♪なかなか終わりまでが遠いのですが、そこまで楽しんでいただけるようがんばります! (2019年12月27日 21時) (レス) id: ffc639491f (このIDを非表示/違反報告)
なお - おもしろすぎて二回読みました!ほんとにドキドキします!私が想像している臣くんにぴったりでとても良いです!!とにかくこの作品がだいだいだいだいだいだいだいだいだいだいだいだいだいだいだーーーーいすきです!!!次回もものすごく楽しみです! (2019年12月23日 14時) (レス) id: 8021a8f0f2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なつめ | 作成日時:2019年11月27日 18時

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