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「いちゃいちゃしたいなら
余所でやれ」

「もちろんそうしますけど。
あ、もしかしてここんちはセルフサービス?
いただきまーす」



帰れと言われたことなんて
全く気にしていない様子で、
広臣さんは電気ケトルを手に取った。

私がお茶を入れた後の急須にお湯を入れ、
湯呑みに移してごくごくと飲む。

沸かしたてではないとはいえ、
電気ケトルの中のお湯は高温に保たれていたのに
一気にお茶を飲んで熱くないのだろうか。

不思議に思いながら見つめていると、
私の視線に気づいた広臣さんがふっと笑った。



「今日の稽古はどうだった?
ちゃんと真面目にやってた?」

「もちろんです!
今日はトルコキキョウを生けました」

「トルコキキョウ?」

「はい。丸くてボリュームのある
可愛らしいお花です」

「どんなの?見たい。
直己さん、こいつが生けたやつ見せてくださいよ」



広臣さんがそう言うと、
「稽古場にある」と
若先生は廊下の方へあごをしゃくってみせた。



「じゃあ見に行こうかな」

「弟子以外は立入禁止だ」

「そんな固いこと言わないでくださいよ。
見てみたかったのに」

「お前は婚約者なんだから
いつでも生けてもらえるだろう。
用がないなら帰れ。
俺はバカップルに付き合ってられるほど
暇じゃない」



若先生が『俺』というのを、初めて聞いた。

いつもは丁寧な話し方なのに
広臣さんに対しては
若干砕けているような感じがするし、
全然性格が違うおふたりなのに
仲よしなのだろう。

広臣さんは本当にお友達が多いのだなぁと
内心感嘆していると、
お茶を飲み干した広臣さんが私の肩を抱いた。



「だってさ。これ以上怒られる前に行くか」

「あ、はい。
若先生、お茶をごちそうさまでした」



湯呑みや急須をまとめて置き、お礼を言うと
肩から腰に手を回した広臣さんが
立ち上がらせてくれる。

その様子を見た若先生が片眉を上げて
何か言いたそうにしたけれど、
結局口をつぐんだまま私たちを見送った。

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設定タグ:三代目JSoulBrothers , 登坂広臣 , 岩田剛典   
作品ジャンル:恋愛
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なつめ(プロフ) - ユキさん» 物理的にどこかへ行く訳ではないんですけど笑 戻ってきてくれるまでお待ちください(^^) (2019年11月27日 18時) (レス) id: ffc639491f (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - 臣君何処に行くのかな?無事に帰って来ますように(*-ω人) (2019年11月19日 23時) (レス) id: 7bd6b3fcc4 (このIDを非表示/違反報告)
なつめ(プロフ) - naoさん» コメントありがとうございます!今は全然いちゃらぶしてくれませんが、紆余曲折のちにいちゃらぶしてくれるはずなので、そこまでお付き合いいただけるとうれしいです♪ (2019年11月19日 20時) (レス) id: ffc639491f (このIDを非表示/違反報告)
なつめ(プロフ) - さこさん» そうですよね(>_<)私もこっそりラタタ踊りました笑 自覚なくいちゃついてる割にくっつかないふたりですが、最終的には幸せになりますのでご安心ください♪ (2019年11月19日 20時) (レス) id: ffc639491f (このIDを非表示/違反報告)
なつめ(プロフ) - 心愛さん» 隆二くんの髪色最高に素敵でしたね♪お話に関しては、焦れったいなーって感じからさらに悪化していくのですが(>_<)しかもいずれまた焦れったい感じに戻ってしまう予定なのですが、最終的には臣くんもはっきりしてくれますので!!楽しみにお待ちください♪ (2019年11月19日 20時) (レス) id: ffc639491f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なつめ | 作成日時:2019年10月17日 19時

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