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「……だから、言ったじゃん。
俺のエゴだって分かってるって」
そう呟いた広臣さんを見やると、
俯いて膝の上で手を組んでいる姿が目に入った。
憔悴しきったようなその横顔が痛ましくて、
怒れなくなってしまう。
「医者にありったけの金注ぎ込んでも、
じーちゃんを助けられない。
俺が幸せだろうが不幸だろうが
じーちゃんは死ぬんだ。
だからせめて、心残りがないようにしたかった」
「……」
「嘘ついて騙して、
最低な孫だったかもしれない。
けど、お前を会わせることができてよかったって、
俺は思ってる。
あの家と庭を譲りたいって思えるくらい
じーちゃんはお前のことを気に入ってたから」
そう言われて、なぜお祖父様が
急いで私と養子縁組をしたのかが分かって
ますます悲しくなった。
お祖父様がお元気そうに見えたから
私に登坂邸を相続させたいと言われても
全然ピンと来なかったけど、
お祖父様は遠くない未来、
確実にその時が来ると知っていたから
間に合うようにあんなに急いで手続きをしたのだ。
私は登坂邸なんていらないのに。
美しい館やお庭が自分のものになっても、
そこにお祖父様がいらっしゃらないのなら
全く意味がない。
悲しみに暮れたまま黙り込んでいると、
ふいにスマートフォンの着信音が鳴り響いた。
スーツの胸ポケットから
それを取り出した広臣さんが立ち上がり、
病室の入口あたりで電話を取る。
「もしもし。
……ああ、そう。
隆二がこっち連れて来ちゃったんだよね。
護衛乗せて、車こっちに回してくんない？
家に帰さなきゃなんないから。
……うん、今んとこ落ち着いてるよ。
うん、ごめんね笹野さん。
ありがとう。じゃあよろしく」
そう言って電話を切り、
広臣さんはまたこちらに戻ってきた。
隣の椅子に腰掛けて、
悲しみを宿した目でお祖父様を見つめる。
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なつめ(プロフ) - ユキさん» 物理的にどこかへ行く訳ではないんですけど笑 戻ってきてくれるまでお待ちください(^^) (2019年11月27日 18時) (
レス) id: ffc639491f (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - 臣君何処に行くのかな？無事に帰って来ますように(*-ω人) (2019年11月19日 23時) (レス) id: 7bd6b3fcc4 (このIDを非表示/違反報告)
なつめ(プロフ) - naoさん» コメントありがとうございます！今は全然いちゃらぶしてくれませんが、紆余曲折のちにいちゃらぶしてくれるはずなので、そこまでお付き合いいただけるとうれしいです♪ (2019年11月19日 20時) (レス) id: ffc639491f (このIDを非表示/違反報告)
なつめ(プロフ) - さこさん» そうですよね(>_<)私もこっそりラタタ踊りました笑 自覚なくいちゃついてる割にくっつかないふたりですが、最終的には幸せになりますのでご安心ください♪ (2019年11月19日 20時) (レス) id: ffc639491f (このIDを非表示/違反報告)
なつめ(プロフ) - 心愛さん» 隆二くんの髪色最高に素敵でしたね♪お話に関しては、焦れったいなーって感じからさらに悪化していくのですが(>_<)しかもいずれまた焦れったい感じに戻ってしまう予定なのですが、最終的には臣くんもはっきりしてくれますので！！楽しみにお待ちください♪ (2019年11月19日 20時) (レス) id: ffc639491f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なつめ
| 作成日時：2019年10月17日 19時
