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広臣さんに連れられて
入った病室は、
まるで高級ホテルの
部屋みたいだった。

リビングみたいな空間には
4人掛けくらいの大きさがあるソファーや
オシャレな形のテーブルが置いてある。

左手には流し台や冷蔵庫といったキッチンがあり、
ここは本当に病室なのだろうかと
おどおどしながら部屋の奥に進むと
お祖父様が酸素マスクをつけた状態で
ベッドに横になっていて、
ショックで息が止まりそうになった。

点滴やモニターなど、
いろんなものに繋がれているその痛々しい姿に
泣きそうになってしまったけど、
震える足を何とか動かして側に行く。



「……お祖父様、は、」

「さっきまでは危なかったんだけど……
今は持ち直した。
ただ、もう退院はできないかもしれない」

「……どういう、ことですか、」



声が震えるのを抑えられないままそう尋ねると、
広臣さんは私を
ベッドの側に置いてあった椅子に座らせた。



「あとで説明するから……
手、握ってやってくんないかな。
意識なくなる前、お前の名前呼んでたから」



そう言われて、点滴につながれた手をそっと取る。

お祖父様の手は大きくて、
『さっきまで危なかった』という言葉が
信じられないほど、熱を伝えてきた。



「……ほんとは、迷ったんだ。
じーちゃんがお前に会いたがってんのに
会わせなくていいのかって。
だけど最期を看取らせるなんて
そんなの重いじゃん。
お前は俺に利用されてただけで
本物の婚約者じゃないのに」



『本物の婚約者じゃない』と言われて、
胸が抉られるように痛んだ。

それは本当のことで、本来なら私は
ここにいるべきではない人間なのかもしれない。

だけど。



「……本物の婚約者ではなくても、
私はお祖父様の養子です。
それって、家族ってことじゃないんですか」

「……」

「教えてください。
どうしてお祖父様は、こんな、」



お祖父様の状態について尋ねたかったのに
悲しみが込み上げてきて言葉に詰まってしまう。

すると、広臣さんは
部屋の隅に置いてあった椅子を
もうひとつ持ってきて、私の隣に座った。

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設定タグ:三代目JSoulBrothers , 登坂広臣 , 岩田剛典   
作品ジャンル:恋愛
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なつめ(プロフ) - ユキさん» 物理的にどこかへ行く訳ではないんですけど笑 戻ってきてくれるまでお待ちください(^^) (2019年11月27日 18時) (レス) id: ffc639491f (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - 臣君何処に行くのかな?無事に帰って来ますように(*-ω人) (2019年11月19日 23時) (レス) id: 7bd6b3fcc4 (このIDを非表示/違反報告)
なつめ(プロフ) - naoさん» コメントありがとうございます!今は全然いちゃらぶしてくれませんが、紆余曲折のちにいちゃらぶしてくれるはずなので、そこまでお付き合いいただけるとうれしいです♪ (2019年11月19日 20時) (レス) id: ffc639491f (このIDを非表示/違反報告)
なつめ(プロフ) - さこさん» そうですよね(>_<)私もこっそりラタタ踊りました笑 自覚なくいちゃついてる割にくっつかないふたりですが、最終的には幸せになりますのでご安心ください♪ (2019年11月19日 20時) (レス) id: ffc639491f (このIDを非表示/違反報告)
なつめ(プロフ) - 心愛さん» 隆二くんの髪色最高に素敵でしたね♪お話に関しては、焦れったいなーって感じからさらに悪化していくのですが(>_<)しかもいずれまた焦れったい感じに戻ってしまう予定なのですが、最終的には臣くんもはっきりしてくれますので!!楽しみにお待ちください♪ (2019年11月19日 20時) (レス) id: ffc639491f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なつめ | 作成日時:2019年10月17日 19時

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