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「最悪クビかも」

「えっ!」

「まあ、運転は好きだけど
どうしても運転手を続けたい訳じゃないし。
クビになったらしばらくプラプラしようかな」

「そんな……」



私をここへ連れて来たせいで
隆二さんが職を失うかもしれないと思うと、
血の気が引く。

すると、可笑しそうに笑った隆二さんが
頭を軽くポンポンと叩いた。



「お姫様のせいじゃないよ。
俺が勝手にやったことだから気にしないで」

「でも……」

「社用車の運転手って、
暇だけど拘束時間長いのがだるかったんだよね。
クビになったらせっかくのチャンスだから
しばらく自由に遊ぶよ」



そんなことを言っていると、
看護師さんらしき人と
スーツ姿の広臣さんが廊下を歩いて来るのが
ガラス張りのドア越しに透けて見えた。

ドアの前まで来た広臣さんが
看護師さんに向かって何かを言うと、
ドアの鍵を開けてくれる。



「……何でここにいる、隆二」



ドアを開けてこちらに出てきた広臣さんが
目を眇めてそう言うと、
隆二さんは平然とした様子で
「お姫様連れて来た」と返した。



「こいつには何も言うなって言ったよな?」

「そんなん納得できる訳ないじゃん。
臣のじーちゃんはお姫様に会いたがってんのに、
お前がそれを邪魔する権利あんのかよ」

「……」

「もう時間がないなら
じーちゃんの望みを叶えてやれ。
じゃないとお前もお姫様も
一生後悔することになるだろ」



諭すように隆二さんがそう言うと、
広臣さんは黙り込んだ。

気まずい空気に気後れしたらしい看護師さんが
「あの……お話が終わられましたら
またインターホンを鳴らしてください」と言い、
ガラス張りのドアの向こうへ戻ろうとする。

すると、広臣さんは
無言で私の手首を掴み、踵を返した。

そのままガラス張りのドアの中に連れ込まれて
慌てて振り返ると
隆二さんが笑顔で手を振っている姿が目に入る。

感謝の気持ちを込めて会釈をすると、
隆二さんはガラスの向こうで頷いてくれた。

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設定タグ:三代目JSoulBrothers , 登坂広臣 , 岩田剛典   
作品ジャンル:恋愛
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なつめ(プロフ) - ユキさん» 物理的にどこかへ行く訳ではないんですけど笑 戻ってきてくれるまでお待ちください(^^) (2019年11月27日 18時) (レス) id: ffc639491f (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - 臣君何処に行くのかな?無事に帰って来ますように(*-ω人) (2019年11月19日 23時) (レス) id: 7bd6b3fcc4 (このIDを非表示/違反報告)
なつめ(プロフ) - naoさん» コメントありがとうございます!今は全然いちゃらぶしてくれませんが、紆余曲折のちにいちゃらぶしてくれるはずなので、そこまでお付き合いいただけるとうれしいです♪ (2019年11月19日 20時) (レス) id: ffc639491f (このIDを非表示/違反報告)
なつめ(プロフ) - さこさん» そうですよね(>_<)私もこっそりラタタ踊りました笑 自覚なくいちゃついてる割にくっつかないふたりですが、最終的には幸せになりますのでご安心ください♪ (2019年11月19日 20時) (レス) id: ffc639491f (このIDを非表示/違反報告)
なつめ(プロフ) - 心愛さん» 隆二くんの髪色最高に素敵でしたね♪お話に関しては、焦れったいなーって感じからさらに悪化していくのですが(>_<)しかもいずれまた焦れったい感じに戻ってしまう予定なのですが、最終的には臣くんもはっきりしてくれますので!!楽しみにお待ちください♪ (2019年11月19日 20時) (レス) id: ffc639491f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なつめ | 作成日時:2019年10月17日 19時

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