この花を君に 5

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「ちょっと優しくしたら
油断してさぁ……
お前、チョロすぎ。
俺のこと警戒しろって言ったのに。
もう何されても文句言えないな」



そう言って、広臣さんはふっと笑った。

手首を拘束しているのとは反対の手で
あごを掴まれて、端正な顔が近づいてくる。

ふにゅ、とくちびるに柔らかいものが当たって、
またキスされてしまったと気づいた瞬間
心臓が飛び出るかと思った。

この間のようにくちびるをあむあむされると
どきどきして、息ができなくて、
拘束されていない方の手で
広臣さんの胸を叩いたのに無視されてしまう。

「んー！んー！」と声を上げて
必死で抗議の意を表すと、
くちびるを離した広臣さんが顔をずらして
ほっぺたや耳元にちゅーをしてきた。



「あっ、や……！広臣さんっ」

「嫌なら逃げろよ。無理だろうけど」

「は、離して……」

「ダメ。俺は忠告したのに
全然人の話聞いてなかったからお仕置きな」



制服のシャツに指をかけた広臣さんに
ぷちぷちとボタンを外されて、愕然とする。

夏服のシャツの下には
キャミソールとブラジャーしかつけていないのに、
このままでは下着を見られてしまう。

慌ててもがいても足をじたばたさせても
広臣さんの体はびくともしなくて、
怖くて涙が出てきた。

すると目尻にくちびるを落とした広臣さんが
涙を吸い取って、ぺろりとそこを舐めてくる。



「やだ……見ないで、くださ、」

「これから彼氏できたら何回も見られんのに？
ちょっとぐらい
俺にも見せてくれたっていーじゃん」



事もなげにそう言って、
広臣さんはボタンを外したシャツをはだけさせた。

キャミソールが露わになって、
見られていると思うと顔から火が出そうになる。

耐えきれずに目を閉じると、
首筋に柔らかな感触を覚えて
「あっ、」とまた変な声を上げてしまった。

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