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「わ、なんか変なのになった」
「スライドするからでしょ。
ここ戻して、そう、
ここ押したら臣さんの連絡先出てくるから。
この受話器のとこ押したら
臣さんに電話できるからな。オッケー？」
「う、うん。たぶん」
「電話かかってきた時も
受話器のマーク押せばいいから。
そうだ、俺の連絡先も入れとこ。
後は直己さんのも入れといた方がいいよな……
臣さんには怒られそうだけど」
そう言いながら兄は
自分のスマートフォンと私のスマートフォンを
交互に操作し始めた。
どうして小林の若先生の連絡先を入れると
広臣さんに怒られるのだろう。
広臣さんにもらったスマートフォンだから、
他の人の連絡先は
入れない方がいいのかと思っていると
画面に視線を落としたまま
兄が可笑しそうに笑う。
「違う違う、あの人直己さんのこと
すげー警戒してるから」
「警戒？」
「お前、直己さんのこと尊敬してんじゃん。
その気持ちにつけこんで
直己さんがお前に手出すんじゃないかって」
「若先生は暴力振るったりしないのに……」
「ああ、うん、そういう意味じゃないんだけどな。
直己さんは身内以外で一番近くにいる男だろ？」
「え、それは広臣さんだと思うけど……」
若先生とはお稽古の時しか会わないけれど
広臣さんとは買い物に行ったりカフェに行ったり、
ご実家に連れて行ってもらったりしている。
そう言うと、
兄は「本人は自覚ないからなぁ」と呟いた。
「直己さんはお前のこと子供の頃から見てるから
身内みたいな感覚らしいけど、
臣さんは下心アリアリだから
他の男もそうだと思うんじゃない」
「下心？」
「臣さんが今日してたようなことを
他の男もお前にしたいと思ってるって
勘違いしてんだよ」
そう言われた途端
さっきここでされたことを思い出して、
顔が熱くなる。
思わず枕に顔をつけると
可笑しそうに笑った兄が頭をポンポンした。
「俺と直己さんの連絡先入れといたから」
「うん、ありがとう……」
「今日は電話かかって来るまでゆっくりしてな」
そう言い置いた兄が立ち上がり、部屋を出て行く。
ひとりになると思い浮かぶのは広臣さんのことで、
青いあじさい柄のスマートフォンを手に取って
ぎゅうっと握りしめた。
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なつめ(プロフ) - omikoさん» こちらこそ読んでくださりありがとうございます♪また更新がんばります！ (2019年10月17日 18時) (
レス) id: 273ec9fd08 (このIDを非表示/違反報告)
なつめ(プロフ) - 譲さん» ややこしいミスしてしまってすみません！そうなんです、腹黒なのは事実ですが実はいいお兄ちゃんだったんです笑 母親はひどいですよね(>_<)でもその分岩ちゃんが愛情を注いでくれました(^^) (2019年10月17日 18時) (レス) id: 273ec9fd08 (このIDを非表示/違反報告)
なつめ(プロフ) - mikkyさん» コメントありがとうございます♪せっかくの溺愛ぶりを飛ばしていてすみません……！ちゃんと載せることができてよかったです(>_<) (2019年10月17日 18時) (レス) id: 273ec9fd08 (このIDを非表示/違反報告)
なつめ(プロフ) - ユキさん» 想像するとたまりませんね(^^) (2019年10月17日 18時) (レス) id: 273ec9fd08 (このIDを非表示/違反報告)
omiko(プロフ) - 更新うれしいです(^^)ありがとうございます！ (2019年10月13日 16時) (レス) id: f68873c807 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なつめ
| 作成日時：2019年9月13日 23時
