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「まあ、これが他の男なら
俺も同じこと言ったと思うけど。
臣さんの場合は
自分の理性に自信がないだけじゃん」
「……どういう意味？」
「さっきみたいにベッドに押し倒したくなるから
臣さんちはダメってことが
言いたかったんだと思うよ」
そう言った兄に頭をポンポンされて、
広臣さんにされた一連のことを思い出す。
途端に顔が熱くなって俯くと、
可笑しそうに笑われた。
「とりあえずお見送り行こ。
早くしないとみんな帰っちゃうよ」
立ち上がった兄に手を引かれて、部屋を出る。
廊下を歩いて応接間の方へ赴くと
もう既にお祖父様たちは玄関先に立っていた。
広臣さんもいて気後れしたけど、
兄の手をぎゅっと握って勇気を出し、
そちらへ近づく。
「Aさん。
体調が悪いなら見送りは結構ですよ。
ゆっくり休んでください」
お祖父様に優しくそう声をかけられて、
「お話の途中ですみませんでした」と頭を下げた。
顔を上げて広臣さんを見ると
端正な顔には何の表情も浮かんでいなくて、
怒っているのか
さっきのことなんて何とも思っていないのか、
よく分からなくて不安になる。
「登坂さん」
ふいに兄がそう声をかけると、
広臣さんは兄に顔を向けた。
どうしてそんなに
他人行儀な呼び方をするのだろうと
一瞬思ったけど、
そういえば広臣さんと兄が仲よしなのは
母親には内緒だったことを思い出す。
「妹を部屋まで運んでいただいたそうで。
ご迷惑をおかけしました」
「いや……
婚約者として当然のことをしたまでです」
「ですが、登坂さんに怒られた、と
妹が非常に気に病んでまして……
何か粗相でもしましたか？
妹は登坂さんをとても慕っていますので
どうか許してやっていただけませんか」
兄の言葉に広臣さんは一瞬目を見開き、
探るように兄を見たけど
すぐにニッコリ笑顔を浮かべてみせた。
「怒ってなどいませんよ」と答えて、
私に向き直る。
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なつめ(プロフ) - omikoさん» こちらこそ読んでくださりありがとうございます♪また更新がんばります！ (2019年10月17日 18時) (
レス) id: 273ec9fd08 (このIDを非表示/違反報告)
なつめ(プロフ) - 譲さん» ややこしいミスしてしまってすみません！そうなんです、腹黒なのは事実ですが実はいいお兄ちゃんだったんです笑 母親はひどいですよね(>_<)でもその分岩ちゃんが愛情を注いでくれました(^^) (2019年10月17日 18時) (レス) id: 273ec9fd08 (このIDを非表示/違反報告)
なつめ(プロフ) - mikkyさん» コメントありがとうございます♪せっかくの溺愛ぶりを飛ばしていてすみません……！ちゃんと載せることができてよかったです(>_<) (2019年10月17日 18時) (レス) id: 273ec9fd08 (このIDを非表示/違反報告)
なつめ(プロフ) - ユキさん» 想像するとたまりませんね(^^) (2019年10月17日 18時) (レス) id: 273ec9fd08 (このIDを非表示/違反報告)
omiko(プロフ) - 更新うれしいです(^^)ありがとうございます！ (2019年10月13日 16時) (レス) id: f68873c807 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なつめ
| 作成日時：2019年9月13日 23時
