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「自分の願望を押し付けんなよ。
お姫様カワイソー」
「は？自分の願望って何だよ」
「だからぁ、思い出のコブシが咲く頃に
お姫様と結婚したいんでしょ？
甘々すぎて吐きそうなんだけど」
「ふざけんな、誰もそんなこと言ってねーし」
「じゃあさぁ、お姫様が臣のこと好きになったから
本当に結婚してほしいって言ったらどうする？」
隆二さんの爆弾発言に、ぎょっとする。
ちらりと横をうかがうと、
広臣さんは不機嫌そうに
運転席の方を睨みつけていた。
「そういうのやめろよ」
「なんで。可能性はゼロじゃないじゃん。
ねぇお姫様」
「えっ」
呼びかけられてアタフタしていると、
広臣さんは眉をしかめたまま
私に向かって手を伸ばしてきた。
頭をポンポンと軽く叩き、
「気にすんな」と言ってくれる。
「オッサンの気持ち悪い妄想は無視していいから」
「気持ち悪いって言うな！
妄想じゃないかもしんないじゃん。
ねぇお姫様」
「しつこい。黙って運転してろ」
腕を組んだ広臣さんが
運転席を後ろからゲシっと蹴ると、
隆二さんが「靴で蹴んなバカ！」と叫ぶ。
ふたりは楽しそうにわいわいやり合っているけど、
私はそれどころではなくて
なぜかどきどきしていた。
広臣さんは隆二さんの言葉を
『気持ち悪い妄想』とけなしていたけど、
もし本当に広臣さんと結婚できたらと想像すると
胸がきゅうっと苦しくなる。
また来年、あの白いコブシを
広臣さんと一緒に見ることができるなら
うれしい。
あの時は顔も知らない男性と
結婚しなければならないのだと思っていたら
『契約』を持ちかけられてびっくりしたし、
婚約者のフリをするなんて
自分に上手くできるかと思うと不安だったから
せっかくの綺麗なコブシの花を
堪能することができなかった。
でも今は、広臣さんと一緒に
美しい花を見る楽しさを知っている。
婚約期間がいつまでになるのかは分からないけど、
半年より早まるのはちょっと嫌だ。
少しだけでも長くなったらいいのにな、と思う。
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なつめ(プロフ) - omikoさん» こちらこそ読んでくださりありがとうございます♪また更新がんばります！ (2019年10月17日 18時) (
レス) id: 273ec9fd08 (このIDを非表示/違反報告)
なつめ(プロフ) - 譲さん» ややこしいミスしてしまってすみません！そうなんです、腹黒なのは事実ですが実はいいお兄ちゃんだったんです笑 母親はひどいですよね(>_<)でもその分岩ちゃんが愛情を注いでくれました(^^) (2019年10月17日 18時) (レス) id: 273ec9fd08 (このIDを非表示/違反報告)
なつめ(プロフ) - mikkyさん» コメントありがとうございます♪せっかくの溺愛ぶりを飛ばしていてすみません……！ちゃんと載せることができてよかったです(>_<) (2019年10月17日 18時) (レス) id: 273ec9fd08 (このIDを非表示/違反報告)
なつめ(プロフ) - ユキさん» 想像するとたまりませんね(^^) (2019年10月17日 18時) (レス) id: 273ec9fd08 (このIDを非表示/違反報告)
omiko(プロフ) - 更新うれしいです(^^)ありがとうございます！ (2019年10月13日 16時) (レス) id: f68873c807 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なつめ
| 作成日時：2019年9月13日 23時
