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「こんなこと言える
立場じゃないって分かってるけど……
じーちゃんの遺志を
尊重してやってくんないかな。
俺はあの家にそこまで思い入れないけど、
じーちゃんにとっては大事な城だったんだよ。
あの家の本当の価値が分からない息子夫婦には
渡したくないって気持ち、
理解してやってほしい」
「……何で過去形なんですか？
お祖父様はあんなにお元気でいらっしゃるのに」
もう既にお祖父様が亡くなっているかのような
広臣さんの発言に、戸惑ってしまう。
すると、広臣さんは「……言い方間違えた」と
気まずげに視線を逸らした。
「とにかく、今のところ養子縁組だけってことで
手を打たせたから、
それは申し訳ないけど受け入れて。
あのクソジジイ、
ついでに入籍も一緒に済ませろとか言い出してさ、
思い留まらせるの大変だったんだから」
「えっ……」
「俺らが最初に会った時、
白いコブシ見たの覚えてる？」
「あ、はい……」
「入籍の日は大事な結婚記念日になるから、
思い出の白いコブシが咲く頃にしたい。って
お前が言ってることにしといたから」
広臣さんが考えたらしいロマンチックな言い訳に、
開いた口が塞がらない。
というか、そんな恥ずかしいことを言う人間だと
お祖父様に勘違いされてしまったことに
いたたまれない気持ちになる。
すると、
広臣さんは私のおでこをこつんと小突いた。
「何だよ、必死で言い訳考えたのに。
お前が言いそうなことじゃん。
花好きなんだから」
「確かにお花は好きですけど！
そんな恥ずかしいこと言いません」
「うっわ、面と向かってディスられた。
でも健ちゃんは納得してたぞ。
岩ちゃんには笑われたけど」
「あ、兄に言ったんですか？
どうしよう、絶対からかわれる……」
あの腹黒い兄が
こんなおいしいネタを見逃すはずがない。
昨日までは何も言ってこなかったけど、
今後何を言われるか分からないと思って
恐れおののいていると、
運転席から「ぶはっ」と吹き出す声が聞こえた。
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なつめ(プロフ) - omikoさん» こちらこそ読んでくださりありがとうございます♪また更新がんばります！ (2019年10月17日 18時) (
レス) id: 273ec9fd08 (このIDを非表示/違反報告)
なつめ(プロフ) - 譲さん» ややこしいミスしてしまってすみません！そうなんです、腹黒なのは事実ですが実はいいお兄ちゃんだったんです笑 母親はひどいですよね(>_<)でもその分岩ちゃんが愛情を注いでくれました(^^) (2019年10月17日 18時) (レス) id: 273ec9fd08 (このIDを非表示/違反報告)
なつめ(プロフ) - mikkyさん» コメントありがとうございます♪せっかくの溺愛ぶりを飛ばしていてすみません……！ちゃんと載せることができてよかったです(>_<) (2019年10月17日 18時) (レス) id: 273ec9fd08 (このIDを非表示/違反報告)
なつめ(プロフ) - ユキさん» 想像するとたまりませんね(^^) (2019年10月17日 18時) (レス) id: 273ec9fd08 (このIDを非表示/違反報告)
omiko(プロフ) - 更新うれしいです(^^)ありがとうございます！ (2019年10月13日 16時) (レス) id: f68873c807 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なつめ
| 作成日時：2019年9月13日 23時
