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「見た目は、ですか」

「ええ。中身は鬼なので」



悪戯っぽく笑った荒井さんの
はっきりとした物言いに、笑ってしまう。

すると、鏡を見ながら
リボンタイを調節していた広臣さんが
「聞こえてるぞ」と苦笑した。



「鬼なのは仕事中だけだから。
こいつには優しいよ、俺」

「到底信じられないと言いたいところですが、
女の子にデレデレの社長なんて初めて見たので
あながち嘘でもなさそうですね」

「最近それめっちゃ言われるんだけど。
俺そんなこいつにデレデレしてるかな」

「自覚ないんですか?
びっくりするぐらい顔緩んでますよ」



荒井さんがからかうようにそう言うと、
広臣さんは納得していないように首を傾げた。

私のような子供に
デレデレしていると言われれば
そんなリアクションになるのも
仕方ないだろうな、と思うと
なぜか胸がつきんと痛む。



「決めた。
クリーム色のドレスにはこれ合わせるわ」

「かしこまりました」

「荒井、悪いんだけど
ラウンジに連絡入れてくんない?
今から行くって」

「はい」



広臣さんに指示された荒井さんが
その場を立ち去る。

タキシードのジャケットを脱いで
リボンタイを緩めた広臣さんが私を見やり、
「着替えたらお茶しよ」と誘ってきた。



「6月からラウンジでピーチメルバ出すんだって。
ちょっと早いけど
特別に作ってって頼んどいたから」

「えっ……」



広臣さんの言葉に、胸がときめく。

桃が使われているということは、
きっと期間限定のデザートなのだろう。

それをいち早く食べさせてもらえるなんて
うれしすぎる。

ドレスの試着でヘトヘトだったことも忘れて
顔を緩ませると、
広臣さんは可笑しそうに笑った。

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設定タグ:三代目JSoulBrothers , 登坂広臣 , 岩田剛典   
作品ジャンル:恋愛
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なつめ(プロフ) - みぃー姉さん» コメントありがとうございます♪楽しく読んでいただけたのならとてもうれしいです!これからは山あり谷ありになる予定ですが最後はハッピーエンドになりますので、最後まで読んでいただければありがたいです♪ (2019年9月13日 22時) (レス) id: 273ec9fd08 (このIDを非表示/違反報告)
なつめ(プロフ) - さこさん» 私も書いていてめっちゃじれったいです笑 特に広臣さん、もっとやっちゃえよー!と思うのですが、そうできないご事情がおありなのです……これからもキュンキュンしていただけるようにがんばりますので、続きを楽しみにお待ちください♪ (2019年9月13日 22時) (レス) id: 273ec9fd08 (このIDを非表示/違反報告)
みぃー姉(プロフ) - 初めまして。もう夢中になって読んじゃいました。読んでいくうちにキュンキュンがたくさんあってもう最高です。これからの展開がどんな風に主人公ちゃんと臣さんが変わっていくのか楽しみで、続きが気になりますね(*^^*) (2019年9月12日 17時) (レス) id: ec49dee706 (このIDを非表示/違反報告)
さこ(プロフ) - こんばんは!毎回、キュンキュンします!キュンキュンするのですが、なんだかじれったい感じがするのは、私だけでしょうか?主人公ちゃん、自分の気持ちに本当に気づいてないのとか広臣さん、それ本心!?って思っちゃうけど、先が気になってたまりません(≧∇≦) (2019年9月11日 21時) (レス) id: d95e73f21b (このIDを非表示/違反報告)
なつめ(プロフ) - ユキさん» テレビでの直人さんはヘタレですが実際にはトキメキが止まりそうにないですね(^^) (2019年9月11日 19時) (レス) id: 273ec9fd08 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なつめ | 作成日時:2019年7月30日 23時

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