5話 ページ10
とある平日、私は気分転換で猫カフェに来ていた。
「前田さん今日はお仕事お休みで?」
『はい!チャイとモカに会いたくて…』
「前田さんが来てくれて二匹とも喜んでますよ」
もうすっかり常連で店員さんとも顔見知り。
平日で人もいない為こうして店員さんとお話しする事もよくある。
おやつをあげたり猫と戯れていると和装の少女が正面に座った。
その少女はただ何もせず座っているだけでずっと携帯を片手に窓から見える景色の遠くの方を見ていた。
『あ、あの…猫お好きなんですか?』
「…」
無視された。
少女はちらりとこちらを向いた。
私の顔をまじまじと見つめると、何かを確信したかの様に頷いた。
『ええ、と…』
「貴女は、前田A。元ポートマフィア構成員。好きなものは動物とココア」
その少女は立ち上がってゆっくりと私の方へ近づいた。
『な、何故それを…』
私が呆気に取られているうちに彼女は一度ぴたりと静止した。
prrrrrrr
_____その時電話の着信音が鳴り響いた。その子の携帯から発せられるものだ。
若しかして…と、気付いた時には遅かった。
次の瞬間、頭に激痛が走った後私は気を失った。
_______
「太宰が行方不明?」
敦からの問い掛けに顔を顰めた国木田。
「電話も繋がりませんし下宿にも帰っていないようで」
「また川だろ」
「また土中では」
「また拘置所でしょ」
その場にいたものは誰一人として心配していなかった。
敦は改めて太宰の社内での信用がないことを知った。
「しかし先日の一件もありますし…
真逆マフィアに暗殺されたとか…」
「阿保か。あの男の危機察知能力と生命力は悪夢の域だ。あれだけ自 殺未遂を重ねてまだ一度も死んでいない奴だぞ」
国木田は飲み終わった珈琲カップを置く。
「己自身が殺せん奴をマフィア如きが殺せるものか」
でも…と敦が云おうとした時賢治が
ソファから飛び降りる。
「そう云えば今日も、サキさん来てないですね」
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わっち(元あんぱん) - 続きが…! (2018年7月28日 19時) (レス) id: 0d20ddbd04 (このIDを非表示/違反報告)
雨ヨ花 - イチゴミルク飴さん» ありがとうこざいます!頑張りますね! (2018年3月11日 23時) (レス) id: c78058813e (このIDを非表示/違反報告)
イチゴミルク飴(プロフ) - 続きが気になります!更新楽しみにしてますね! (2018年3月11日 19時) (レス) id: 399cb6b1cc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雨ヨ花 | 作成日時:2018年3月11日 12時