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「私の名は泉鏡花。昨日から此処で働くことになった。此の前の事はごめんなさい」

「二人とも会ったことあるっけ?」

『い、いえ…先日少し…』

曖昧な返事に怪訝な顔をする探偵社員。

正直に話した方がいいのか否か。

すると泉さんは顔をうつむかせた。

「夜叉で頭を刺した」

「待って超物騒なんだけど!?」

敦くんが困惑しているので、私は全然大丈夫です。と返す。

泉さんは私の方をちらりと見る。

どうやら返事を待っている様だ。

私は泉さんに視線を合わせ、目と目をしっかり合わせた。

『泉さん、今度一緒に猫カフェ行きましょうね』

泉さんは目を伏せて頷いた。

そして鏡花で良い、と呟いた。


『わかりました。鏡花さん』


私は仕事に取り掛かろうと机に座ると何やら隣が騒がしかった。

同棲だの、何だのと。

確かに敦くんも年頃の男の子だし…まあ、敦くんに限って手を出すなんて事ないだろうけど。


「君が守るんだ。大事な仕事だよ」

「判りました!がんばります!」

太宰さん…敦くんをいい様に…

国木田さんは呆れつつも太宰さんに報告書を書く様に云った。

私もパソコンを起動し、これから書こうとしていたところだ。

其の一連の動作を見ていたかの様に自然にこちらを向くと私の肩に手を置いた。

「ふむ。前田君、丁度良い。私の」

「また貴様は前田に書類を押し付けやがって…!!」

「断らない前田君も前田君じゃあないか」

『…』

いや、太宰さんからの頼みなんて断れるわけないじゃないですか!

叱る気力も失せたのか国木田さんは自分のデスクに戻ろうとした。

その流れで敦くんに迄書類を押し付けようとする太宰さん。

「君にも関わる話だよ。
君に懸賞金を懸けた黒幕の話だ」

「判ったんですか!?」

マフィアの通信記録を覗かせてもらったらしい。

嗚呼、態と捕まった理由は其れか。

話の詳細を盗み聞きさせてもらうと、出資者は"組合"と呼ばれている北米異能者集団の団長であると。

私も聞いたことはあった…が、実在していたとは。

「第一そんな連中が何故敦を?」

それについては全くもって同意だ。

其れについては訊くしかないと云う。

どうしたものか、と唸っていると何やら忙しない足音が聞こえた。次の瞬間息を切らした谷崎さんが扉を開けた。

「た、大変です!」

一瞬探偵社に影が差し込む。

何事かと思い窓の方に向かう。

騒音がする下の方に目線を下ろすとヘリコプターが着地していた。


『真逆ッ』


先手を取られた…か。

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わっち(元あんぱん) - 続きが…! (2018年7月28日 19時) (レス) id: 0d20ddbd04 (このIDを非表示/違反報告)
雨ヨ花 - イチゴミルク飴さん» ありがとうこざいます!頑張りますね! (2018年3月11日 23時) (レス) id: c78058813e (このIDを非表示/違反報告)
イチゴミルク飴(プロフ) - 続きが気になります!更新楽しみにしてますね! (2018年3月11日 19時) (レス) id: 399cb6b1cc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雨ヨ花 | 作成日時:2018年3月11日 12時

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