42話 必要ない ページ43
「着いたよ」
『なんか広くて申し訳ないな…』
私たちが来るまでに執事たちが用意したのだろうか。
それにしては仕事が早い。
『カルトくんだっけ…案内ありがとう』
「何で僕が男だってわかったの？」
カルトは驚いた様子で聞き返す。
『なんとなく？』
「何で疑問形なの」
理由は単純なんだけどもちろん秘密にする。
『一人でイルミさん待つのも落ち着かないし、一緒にしゃべって待ってようよ』
「何でお前なんかと」
『お願い…心細いんだもん…』
目を見つめられてカルトは顔をそらす。
「しょうがないな。少しだけだよ」
『わーいやったぁ！』
やっと癒しができた。
ずっとイルミさんといて疲れてたんだよね。
部屋の中でソファーに並んで座って2人で話す。
『そういえば、キルアは今ここにいるの？』
「え…兄さんとどういう関係？」
『友達！』
「は？」
カルトはAのことを睨む。
『私はキルアを迎えに来たの。キルアはイルミさんに無理やり連れ戻されたから』
「そんなはずはない！兄さんは自分で帰ってきたんだ」
カルトは思わず声を荒げてしまうが、Aはハンター試験での出来事を説明する。
「ふうん。兄さんは…もうどこにも行かないよ」
『カルト君はキルアのことが好きなんだね』
「はぁ！？何でそんな話に」
きっとキルアのことが好きだから、戻ってきてくれて嬉しかったんだろう。
『私もキルアのこと好きだよ！』
「は？あんたはイルミ兄さんの婚約者なんでしょ？」
『それはイルミさんのお母さんがそう言ってるだけで…』
「それなら、自分の命の心配をした方がいいかもね。イルミ兄様は利用価値のない人間はすぐ殺すよ」
『でもきっとまだ私に利用価値はあるから大丈夫』
トリップの点でもまだイルミさんは私を利用できると考えているだろう。
『心配してくれてありがとう』
Aはカルトの頭をなでる。
「ちょっ、触らないでよ。心配してるわけじゃない。あんたがキルア兄さんの友達なら、死なれたら兄さんが…」
カルトは顔が真っ赤になる。
『あ、私のこと信じてくれたんだね！』
「はぁ」
こんな弱そうで馬鹿な奴を危険視する奴なんていないだろう。
全部顔に出てるから嘘もついてないだろう。
とカルトは考える。
『カルトくんと友達になりたい！またお喋りしようね』
「いらないよそんなの」
カルトは言葉とは裏腹にまんざらでもないと思ってしまっているのであった。
「殺し屋に友達なんて必要ないよ」
イルミが入ってくる。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 63人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「HUNTER×HUNTER」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あめしょ(プロフ) - ねこさん» カルトちゃん可愛いですよね！カルトちゃんはツンツンしてるけど案外デレが多いイメージです (2018年2月28日 19時) (
レス) id: f77fb73667 (このIDを非表示/違反報告)
ねこ(プロフ) - カルトちゃんかわいい！ (2018年2月28日 16時) (レス) id: e15058c5ad (このIDを非表示/違反報告)
あめしょ(プロフ) - オレンジさん» うわああありがとうございます！励みになります！ (2018年2月22日 20時) (レス) id: f77fb73667 (このIDを非表示/違反報告)
オレンジ - 主人公のイラストとっても可愛かったです!更新頑張ってください!! (2018年2月22日 20時) (レス) id: 471f321dcd (このIDを非表示/違反報告)
あめしょ(プロフ) - ねこさん» そうなんですよ…。できる限り頑張って更新しますね！ (2018年1月30日 22時) (レス) id: f77fb73667 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：わふう | 作成日時：2018年1月26日 4時
