41話 婚約者 ページ42
もう一度おんぶされ、門の中に入り、すぐに出会ったのは、ミケというゾルディック家の番犬だ。
心がないのか忠実に従う機会のような獣を悲しく思う。
でもここはそういう世界なんだ。
一々気にしていたら仕方ない。
もう少し先に進むと、特徴的な髪形をした女の子に出会う。
「お帰りなさいませ。イルミ様」
ゼブロさんから連絡が入っていたのだろう。
少し目を見開かれたが特に私には何も触れない。
確かカナリアっていう名前だったな。
キルアは大丈夫だよ、もう少しで友達が助けに来るから。
Aはそんな言葉も、イルミの前では言えないまま心にしまうしかなかった。
やっとゾルディック家の玄関らしきところについた。
「お帰りなさいませ」
何人もの執事が私たちを出迎える。
何人かは名前を思い出したが、またここで口を開くとイルミさんに怒られそうなので黙る。
すると奥からドレスを着た女の人と、着物を着た女の子が出てきた。
「お帰りなさい、イルミ。キルったらやっと帰ってきて…。それと試験はどうでしたか?もちろん受かってますわね、わかってますわ、ごめんなさい。それと、さっき連絡がありましたけど、ああその子ですのね」
この弾丸トークは、イルミさんのお母さんのキキョウさんか。
「後で会いに行くよ。この子はゾルディック家の一員になってもらおうと思って」
執事たちがざわつく。
「まぁ!やっと婚約者を決めたのね!?名前は?もっと顔を見せてくださらない?それにゾルディック家にふさわしい人物ですの?」
「ほら」
イルミさんはやっと背中から降ろしてくれた。
自己紹介しろと目が語っている。
『Aです。よろしくお願いします。でも婚約者では…』
「なんて素敵なお人形みたいなお顔。キルに似た綺麗な髪!早速みんなに知らせなくては!」
話がまるで通じそうにないのでイルミさんの方を見ると目をそらされた。
「俺はキルに用事があるから。また後で」
イルミさんは執事たちに私の部屋を用意するように命令して行ってしまった。
「じゃあカルトちゃん。お部屋にご案内してちょうだい」
「はいお母さま」
カルトちゃんと呼ばれているがこの子はキルアの弟だったはずだ。
Aはカルトに連れられて廊下を進んでいく。
「兄様に気に入られるなんて、どんな手を使ったの?」
『気に入られてはいないと思うけど…私攫われてきたんだし』
「お前のことは信用してないから」
私は生きて帰れるのかな。
早くキルアを見つけないと。
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あめしょ(プロフ) - ねこさん» カルトちゃん可愛いですよね!カルトちゃんはツンツンしてるけど案外デレが多いイメージです (2018年2月28日 19時) (レス) id: f77fb73667 (このIDを非表示/違反報告)
ねこ(プロフ) - カルトちゃんかわいい! (2018年2月28日 16時) (レス) id: e15058c5ad (このIDを非表示/違反報告)
あめしょ(プロフ) - オレンジさん» うわああありがとうございます!励みになります! (2018年2月22日 20時) (レス) id: f77fb73667 (このIDを非表示/違反報告)
オレンジ - 主人公のイラストとっても可愛かったです!更新頑張ってください!! (2018年2月22日 20時) (レス) id: 471f321dcd (このIDを非表示/違反報告)
あめしょ(プロフ) - ねこさん» そうなんですよ…。できる限り頑張って更新しますね! (2018年1月30日 22時) (レス) id: f77fb73667 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:わふう | 作成日時:2018年1月26日 4時