37話 別の二人きり ページ38
「元はいなかったとしても、今は必要だからいるんじゃないのか?必要のない者なんていない。少なくとも私にとっては…」
最後の言葉は届かなかったが、それでもAは十分だった。
『クラピカ。もう少し、もう少しこのままでいてもいいかな』
返事はなかったが、かわりに優しく抱きしめてくれるクラピカに今は心を救われたAだった。
『ありがとう、聞いてくれて。迷惑かけちゃったね』
涙を我慢したであろう真っ赤になった眼をこすりながら、Aは言う。
「いや、そんなことはない。何も力になれなくて…すまない」
『そんなことないよ!クラピカに励ましてもらえて…私、ちゃんと受け止めて生きていこうと思う!』
「そうか、少しでも気が晴れたのならよかった」
『私、次はイルミさんの所へ行かなくちゃ…』
「私もついていこうか?」
『でも約束だから。もう一人でもゆっくりなら歩けるし…じゃあ行くね』
外に出てイルミを探す。
「やぁ、待ってたよ」
『うわっ!びっくりした…』
「ヒソカの攻撃をあれだけくらって、もう自力で歩けるんだね」
『一応…それで、話って…?』
「君を家に連れて帰る」
『へ?』
状況が理解できずただただ慌てる。
「君には利用価値があるからね。トリップしてきたという点も。未来について知っているんじゃないかと思って」
『未来なんてわかりませんし、嫌ですよ私は!!』
嘘ではない。単純にこれからのストーリーが思い出せないのだ。
「試験で思ったんだけど、君なかなか素質があるし。うん、決めた。ゾルディック家の一員になってもらおう」
『ふぇ?』
余りに突拍子のない展開に間の抜けた声が出る。
でもそれならば、キルアには会えるのでは?
「そういうわけだから」
『待って、ゴンにキルアの居場所…を…』
そのままイルミはAに手刀をくらわし気絶させる。
「待て!!」
そこにゴンが現れる。
「Aをどうするつもりだ!」
「連れて行くだけだけど?ああ、これこそ誘拐だね。そういえば、キルの居場所を知りたいようだな」
「その前にAを離せ!」
「だったら自分の力で取り返してみたらどうだ。2人とも骨折しているから条件は同じだ」
ゴンに腕を握られたイルミは骨折していたのだ。
「条件なんかどうだっていい!」
ゴンがとびかかるがあっさり腕を掴まれてしまう。
ゴンは抜け出すが、イルミの針攻撃に避けることしかできない。
イルミはこれから先、ゴンが脅威になると考え、殺そうと考える。
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あめしょ(プロフ) - ねこさん» カルトちゃん可愛いですよね!カルトちゃんはツンツンしてるけど案外デレが多いイメージです (2018年2月28日 19時) (レス) id: f77fb73667 (このIDを非表示/違反報告)
ねこ(プロフ) - カルトちゃんかわいい! (2018年2月28日 16時) (レス) id: e15058c5ad (このIDを非表示/違反報告)
あめしょ(プロフ) - オレンジさん» うわああありがとうございます!励みになります! (2018年2月22日 20時) (レス) id: f77fb73667 (このIDを非表示/違反報告)
オレンジ - 主人公のイラストとっても可愛かったです!更新頑張ってください!! (2018年2月22日 20時) (レス) id: 471f321dcd (このIDを非表示/違反報告)
あめしょ(プロフ) - ねこさん» そうなんですよ…。できる限り頑張って更新しますね! (2018年1月30日 22時) (レス) id: f77fb73667 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:わふう | 作成日時:2018年1月26日 4時