５６話 ページ10
「あの人が……早瀬さん、ですか？」
特別おしゃれって感じでもなく、あまり目立ちそうにない男の人だった。
「そだよー！ かっこいいでしょ。あ、一目ぼれとかなしだかんね」
「いや、その心配はしなくてもよいかと。えと、あいに行かなくていいんですか？」
「え、で、でも、そしたら、Aちゃんが」
「私はいいです。もう少し、本とか見て回りたいですし。
まだまだ時間あるんですから、早瀬さんとデートとかしてください。
そっちのほうがわたしにとってもありがたいです」
叶さんは、私の顔を覗く。
「……いいんですか、いいんですか？」
「いいんですよ。いいんですよ」
私がそういうと、叶さんは少し頬を赤らめて、立ち上がった。
「ばいばい！ またねっ」と言い残すと、叶さんは早瀬さんのところへ走っていった。
早瀬さんはびっくりしていた。でも、そのあとは二人でニコニコしながら、
幸せそうに、どこかへ歩いていった。
あー、いいなー。
一人ポツンと残された私は、二人を少し、羨ましく思った。
でも、本当によかった、叶さんのこいが叶って。
あれ、今の、ちょっと駄洒落っぽい。
なんてね。
くだらない脳内ボケをかまして満足した私は、本屋さんへと向かった。
「いらっしゃいませー」
そういえば、朝乃の新刊でてたっけ。
探そう。
そう思って、新刊コーナーに立ち寄ると、
わかちゃんが立ち読みしているのを発見した。
「え、A？」
「わ、わかちゃん！」
「なんで、ここに？ はっまさかお前、本当に俺のことストーキングしてっ」
「ない。断じてない。私は今さっきまで、叶さんと来てたんだー」
「あれ？ 叶さんはー？」
「彼氏さんを発見したので、二人仲良くデートさせてきました。」
「おう、乙。じゃあ、お前今から暇なわけだ」
「ええ、とってもお暇でございますわ」
「じゃー、お前は今から、俺とデートすればよい」
「おうふ」
まってくれ。わかちゃんとデート？
なにこのおいしい展開。
神様ありがとう。
私は初めて神様を信用した。
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雨雨(プロフ) - 蛍烏賊さん» 蛍烏賊さん、ありがとうございます！完結しましたー♪そんなこと言ってもらえてうれしかったです！新作もモブっぽい子が主人公なので、頑張ります！蛍烏賊さんの小説もいつも楽しく読ませていただいてます！応援してます！お互い頑張りましょー(*￣0￣)/ オゥッ!! (2016年4月18日 19時) (
レス) id: 6bc06e16a6 (このIDを非表示/違反報告)
蛍烏賊(プロフ) - 完結おめでとうございます！何度も読み返したくなるような素敵な作品でした。モブ的存在が主人公の小説だったのですごく世界に入り込めて読んでいて楽しかったです。新作も楽しみにしてます、頑張ってくださいね！ (2016年4月18日 16時) (レス) id: 0c9cd69501 (このIDを非表示/違反報告)
雨雨(プロフ) - ラベンダー畑さん» 初めまして！ラベンダー畑さん！コメントありがとうございます<(_ _)>読んでいただけて、光栄です！確かに主人公ちゃん、冴えてるかもしれません(笑)私も格好いい彼氏が欲しいです。これからも更新頑張りますので、よろしくおねがいします！ (2016年3月30日 7時) (レス) id: 6bc06e16a6 (このIDを非表示/違反報告)
ラベンダー畑(プロフ) - 初めまして うーんわかちゃんは 一体誰が好きなんだろう？そして何故来なくなったんだろう？すごーく気になります！ 題名は冴えないと書いてあるけど 主人公 カッコいい元カレがいたし 冴えてる？んじゃないの？続きが楽しみです♪ (2016年3月29日 20時) (レス) id: 30de297729 (このIDを非表示/違反報告)
雨雨(プロフ) - *綾辻*さん» *綾辻*さん、ありがとうございます！コメントいただけて、光栄です！更新頑張りますね！ (2016年3月29日 7時) (レス) id: 6bc06e16a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨雨 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/amenochiame1/
作成日時：2016年3月28日 14時
