２話 ページ3
「じゃあねー海智くん。」
「おう、じゃあな。また、会えたら話そうぜ。」
「うん。またね！」
そういって、私たちは別々の教室へと入った。
窓際の席。
席替えしたてのこの席は、新鮮で仕方がない。
「おはよう、わかちゃん。」
私は隣の席の男の子に話しかけた。
「おー、おはよー。A。今日も生きててよかったな。」
これが朝のあの人だ。
毎朝毎朝、自転車を全速力でこぎ、通る人に多大な迷惑をかける、
とんでもない、変人。若田 悠。
この人のことが、とっても気になっている。
曖昧な言い方するなといわれたら、
好きだ。
と、言ってしまったほうが正しいんだと思う。
「朝から、どきついんだね。君は。」
「僕は、誰にだって、正直でいたいんだよー。わかるかい？」
「嘘つけ。君は、そんな正直で、純粋なガラじゃないでしょ？」
少し毒の混じった会話。
それがとても心地よくて、私はいつも、わかちゃんと話す時間を欲してしまう。
「まあそうだけど・・・っていうかさあ、いいかげんわかちゃんって呼ぶの、
やめてくんない？なんかムカつくんだけど。」
「えっ！いい愛称だと思わない？とっても素敵なのに・・・」
「それはお前のセンスがいかにおかしいかを体現しているセリフだな。」
「ひどいよ！！わかちゃん！」
やっぱりわかちゃんは面白い。
話していると自然になれる。すごく。
ありのままの自分をさらけ出せるようで、それがとても心地よかった。
「ところでさ、A。」
「なんだい？」
「お前ってさ、あの、海智ってやつと付き合ってんだっけ？」
なぜそれをいまさら・・・
わかちゃんはいつも現実世界の情報網が遅い。
(ちなみにわかちゃんはヲタクだ。それ故、アニメとか、厨二病っぽいことに関しては
すっごく詳しいし、情報もどこから仕入れたというほどに早い。)
「まあ。そうだね。事実上そうなっているよ。
そうといえば、わかちゃん。いないの？好きな人。」
そう聞くと、わかちゃんは、
「お前。」
と真面目な顔をしていった。
「はいはい。じょーだんはやめましょうねー。わかちゃん。」
普段、わかちゃんの冗談は読み取りにくいのだが、
今回は、なんとなく、わかった。
だって、たぶん、わかちゃんの好きな人は・・・
「ちぇ。ノリわりーな。」
そういうと、わかちゃんは教室のドアのところへとかけていった。
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雨雨(プロフ) - 蛍烏賊さん» 蛍鳥賊さん、コメントありがとうございます！！！うれしいです・・・更新頑張ります！なんかヤル気が出てきました。まだまだ拙い部分が多いですが、読んでいただけると幸いです！本当にありがとうございました(*´ω｀*) (2016年1月5日 9時) (
レス) id: 6bc06e16a6 (このIDを非表示/違反報告)
蛍烏賊(プロフ) - すごく面白いし、展開の仕方が上手くて尊敬します！更新頑張ってください！ (2016年1月4日 20時) (レス) id: 0c9cd69501 (このIDを非表示/違反報告)
雨雨(プロフ) - ちーさん» ありがとうございます！更新頑張りますね！ (2015年10月28日 18時) (レス) id: 6bc06e16a6 (このIDを非表示/違反報告)
ちー - これからの展開が、楽しみです！更新待っています！ (2015年10月28日 18時) (レス) id: 3269a53ca4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨雨 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/amenochiame1/
作成日時：2015年10月25日 11時
