雨のち水溜り (ページ6)

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今日から夏休みの企画のため無人島へ行く。
トミーさんからは女の子だし危ないから留守番してていいよと言われたが足手まといになるかもしれないけどぜひ手伝わせてほしい！と気持ちを伝え連れて行ってもらえることになった。

家をでるときカンタさんがこっちに来て

「これ。僕たちは慣れてるからいいけど無人島は変な虫とかいるから、女子は必要でしょ？」

と虫除けスプレーや薬などが入ったポーチを渡してくれた。
カンタさんが自分から話しかけてくれるのは初めてで、さらに気遣ってくれたということに嬉しさが溢れてしまい

『ありがとうございます！！』

と大きな声を出してしまった。
カンタさんは一瞬びっくりしていたが、またいつもの表情に戻って自分の道具を車へと運ぶため外へと向かった。
私はカンタさんと少しずつだけど仲良くなれている、そう感じもっと仲良くなりたいと思うようになった。

無人島では大変なことも多かったけどとても楽しく過ごせた。
私も少しだけ動画に出させてもらって新しい経験もさせてもらうことができた。

そんなこんなであっという間に時間は過ぎ、無人島生活も残すところあと1日になった。
その日の夜は2チームに分かれて夜の探索をすることになった。
じゃんけんの結果、トミーさん、Pさん、まんずくんチームとカンタさん、キイチ、私のチームに分かれて出発した。

しばらくするとキイチが急にお腹が痛いと言い出して、キイチはそのまま拠点に戻ることになった。
キイチが心配だったがそれ以上にカンタさんと2人きりになるという状況に動揺を隠せなかった。
何を話せばいいのか…と頭をフル回転させているとふいにカンタさんが話し始めた。

「どうして無人島に行きたいって言ったの？女子は行きたがらないものだと思ってた。」
『えっ…。確かに女子は嫌がると思います。でも私は水溜りハウスのみんなを尊敬しています。だからみんなが作る動画の手伝いをしたかったんです。』
「そっか…無人島怖くないの？」
『怖くないと言ったら嘘になります。でもそれ以上にみんなと拠点を作ったり魚をとったりするのが楽しくて…無人島に来て本当に良かったって思ってます！』

そう私が笑顔で答えてカンタさんの方を見ると、カンタさんも笑ってくれていた。
その笑顔は撮影の時の笑顔とも違う、私だけに向けられた笑顔で、とても優しくて綺麗で…何故だか分からないけど私は胸がキュゥと締め付けられた。