雨のち水溜り (ページ3)

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「着いたよー！」

そう言われ車から出て玄関へと向かいながらキイチを質問責めにする。

『え、お店に行くんじゃないの？てかここ誰の家？』
「あ、言ってなかったっけ？僕水溜りボンドのカンタさんとトミーさんとPさんとあとまんずっていうやつと一緒にこの家でシェアハウスしてるんだよ。」
『そうだったんだ。じゃあ、紹介したい人達って…』
「そう！水溜りボンドの2人！」

キイチはそう言って私を家の中へと誘った。
靴を脱ぎ階段を上って2階へ行くと目の前の部屋から人の話し声が聞こえてきた。
ガラッ…
キイチが扉を開けPさんに続いて私も緊張しながら部屋の中へ入った。
ソファには体格がよく髪の毛が少し長い男の人と対照的に痩せていて髪の毛が短かい男の人が座っていた。

「おかえりキイチ、Pさん！この子？」

と体格がいい方の人がキイチに話しかけると

「そうっす！実はまだ説明してないんすよ。」

とキイチは答え、私が気になっていたこの家に連れてこられた理由を話してくれた。

「この2人が水溜りボンドっていうYouTuberでこっちがトミーさん、こっちがカンタさん！」
「よろしく～」
「よろしくっす…」
『キイチの幼馴染のAです。よろしくお願いします。』

簡単に挨拶を済ませ、あぁこの2人が水溜りボンドなんだなと納得しているとトミーさんとキイチがおもむろに

「実はさ、この前カンタと最近忙しくなって外食ばかりも体に良くないから誰かご飯作ってくれる人探そうかって話してた時にキイチからAちゃんのこと聞いて、連れてこいよ！って。」
「そう！もしAが良かったら僕たちと一緒に2人のお手伝いしない？って誘おうと思って！」

と話し始めた。
突然のことに理解が追いついていない私は

『えっ、えっ？』

と動揺してしまった。
そんな私の様子にトミーさんは笑いながら

「驚いたよね？笑僕たちの仕事は土日関係なくて1日中働いてるようなもんだから食事は外食とか買ってきたもので済ませることも多くて…だから僕たちのために食事とか掃除とか身の回りのことを頼んでもいいかな？もちろん仕事が決まったら辞めてもらってもいい。」

と詳しく説明してくれた。
私はまだ混乱していたが少し考えて

『します！ぜひお手伝いさせてください！』

と頭を下げた。
トミーさんは微笑みながら

「よろしくね」

と言ってくれた。
こうして私の水溜りハウスでの生活が幕を開けた。