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その視線に気付いたんか、
Aは切なそうな顔で俺を見つめ返し、
少しずつ俺の元へと近付いた。
目が合ってしまっては、分かりやすく、
昂る感情を隠せない。
思わず、手を伸ばしそうになって、慌てて戻した。
そんないつもとは違う俺の衝動を、君は受け入れてくれるかのよう。
目の前に座りながら珍しく、自らの肩紐に指を通した。
そしてそのままゆっくりと、ホックと共にそれを外した。
「………、」
思わず、無意識に。
息を呑むあまり、格好悪く喉まで鳴らしてしまった。
服の上から見える以上に、丸く張ったその部分。
思春期の、高校生とかが初めてするソレのように、
俺はゆっくりと、
やけど今度は躊躇わず、真っ直ぐに手を伸ばした。
纏わりつくような重みのある感覚に溺れた。
「………A、」
彼女であるこの子の名前を口にした。
一瞬俯いてから、また俺に返してくれた視線が、
尚もぎこちなくて、愛おしくて。
とても大切なものが出来てしまった。
既に俺の物ではなくなってしまう、予兆が訪れたはずやのに。
慌てたとか、盗られることが惜しくなったとか、
そんな第三者が創り出した感覚ではない。
ただ分かるのは、
"居なくなるなら勝手にどうぞ"、
そんな前みたいな俺のスタンスは、平気で覆された。
俺はきっと脆くなった。
それは欲というよりもっと純粋な、
情けないくらいの愛やと気付いた。
「…………紫耀、」
嬉しそうに泣きそうな声で誘うから、
抱き締めて、優しく寝かせて溺れ行く。
相手を幸せにしたいのは、君だけでなくむしろ俺やと思った。
そんな顔して見つめてくるから、してあげたいだけで、
スッと今すぐに、他の人の所へ行きたいと俺の腕を振りほどいたら、
その瞬間、俺の心にどれだけの雨が降ろうと、「ごめん」と言って離れてあげるのに。
ここまでこの子を愛してしまった以上、顔だけ晴らしてそっと見送る。
そんな紳士の振りした、物分かりの良いおっさんみたいに、
"大切"という気持ちの行方に、途方も無い道を俺は彷徨う。
どうすれば良いのか、分からなくなった。
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美紀(プロフ) - 毎話、すごくドキドキしながら読ませていただいています！この作品の5が読めないのですが、どうしたら読めるようになりますか？どうしても読みたいです！これからも応援しています！ (2019年2月4日 1時) (
レス) id: 574ea515dc (このIDを非表示/違反報告)
名無し33431号(プロフ) - いつも楽しみにしてます！頑張ってください！リクエストなんですが、川島如恵留くんとの先輩後輩物の長編が読みたいです。作者様の作品が好きなのぜひ読みたです！ (2018年6月4日 0時) (レス) id: 70d27b43b7 (このIDを非表示/違反報告)
かほ(プロフ) - 更新嬉しいです！この小説が今一番好きで更新いつも楽しみにしてます！これからも頑張ってください！ (2018年4月6日 16時) (レス) id: 1be2ad1a32 (このIDを非表示/違反報告)
るるぽんぬ(プロフ) - 面白くて大好きです！もう何度も読み返してます〜！更新頑張ってください応援してます！！ (2018年3月21日 17時) (レス) id: 7038e95e66 (このIDを非表示/違反報告)
葵 - これから長妻くんとどうなるのか続きが気になります！更新頑張ってください！ (2018年2月13日 16時) (レス) id: 5917ef0eb0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：踊れる人大好き芸人
| 作成日時：2017年10月28日 0時
