検索窓
今日:1 hit、昨日:4 hit、合計:369,963 hit

164 ページ20

リレーから帰ってくる集団の方へと、

すれ違うように向かって行った。








「Aさん、」


後ろから長妻先輩に肩を掴まれた。



勝って良かったというような、嬉しそうな顔だった。





「…お疲れ様です、」



その一言のみを告げて、視線はまたさっきの人混みへと戻した。

探さないといけない人がいる。






「…何か探してんの?」




ニコニコ、余裕そうにしている先輩に聞かれ、





「なんか彼氏が怪我したかも知れなくて、」



「え、」




思わず、取り繕うこともなくそう告げた。





瞬間、自分の持ち場へと帰ろうとする紫耀がようやく目に映り、




「いた、」




固まった顔の先輩を置いて走り出した。









先輩は何も言わず、引き留めることもなかった。




だけど視線だけはずっと感じていた。









「………っ、


紫耀、」



辿り着くなり、急いで声をかけた。







心配で慌てる私とは対照的に、紫耀の表情は真顔そのもの。









「……なんで来たん?」




掠れた声が耳をくすぐる。






「……紫耀が怪我したかもと思って」






「……ああ。見てたん?」



「見てたよ」



「勝った方やなくて?」






「……ん?」





やけにテンポが良い会話だったはずが、
思わず空気を止めてしまった。





「……勝った方って?」




それしか言わない私に、紫耀も特に気にしない、深い意味はないとばかりに、





「…ならこのまま直帰みたいやし、帰り俺の車運転頼んでもええ?」





淡々と言った。







なぜだか、今までとは違う空気。



それは紫耀が放つオーラのようなもの。


まるで人を寄せ付けない、透明な壁のようなものを感じた。

165→←163



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (503 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
2666人がお気に入り
設定タグ:長妻怜央 , 平野紫耀 , 永瀬廉
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

美紀(プロフ) - 毎話、すごくドキドキしながら読ませていただいています!この作品の5が読めないのですが、どうしたら読めるようになりますか?どうしても読みたいです!これからも応援しています! (2019年2月4日 1時) (レス) id: 574ea515dc (このIDを非表示/違反報告)
名無し33431号(プロフ) - いつも楽しみにしてます!頑張ってください!リクエストなんですが、川島如恵留くんとの先輩後輩物の長編が読みたいです。作者様の作品が好きなのぜひ読みたです! (2018年6月4日 0時) (レス) id: 70d27b43b7 (このIDを非表示/違反報告)
かほ(プロフ) - 更新嬉しいです!この小説が今一番好きで更新いつも楽しみにしてます!これからも頑張ってください! (2018年4月6日 16時) (レス) id: 1be2ad1a32 (このIDを非表示/違反報告)
るるぽんぬ(プロフ) - 面白くて大好きです!もう何度も読み返してます〜!更新頑張ってください応援してます!! (2018年3月21日 17時) (レス) id: 7038e95e66 (このIDを非表示/違反報告)
- これから長妻くんとどうなるのか続きが気になります!更新頑張ってください! (2018年2月13日 16時) (レス) id: 5917ef0eb0 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:踊れる人大好き芸人 | 作成日時:2017年10月28日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。