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「タオルです」


「さんきゅ、」





言われた通り。その後も私は長妻先輩にほぼ付きっ切りという形でその日を過ごした。





先輩は運動神経が良く、何をやらせてもソツなくこなす。

爽やかな汗を流しつつも、疲れ一つ見せない体力の持ち主。




周囲の年配の上司たちは、そんな先輩を頼もしいような、微笑ましいような、そんな顔で見守っている。







「長妻、疲れてないか?」



「大丈夫っす、余裕っす」




笑顔で交わすから、本当に凄いと思う。









「次はね男女混合レースだから」



「?」






先輩に手招きされ、集合場所へと連れてかれた。


学生の頃の運動会と違うのは、予行練習というものがない所。

段取りが分からない中、皆が色々なことを察してぶっつけ本番。


参加することですらその場で聞かされるのだから、心の準備など、あったものではない。





「ほら行くよ、」



さりげなく腕を掴まれ、ぐんぐん引っ張られる。









集まった先、5メートル離れた所に紫耀がいた。



斜め後ろ姿しか見えない、だけど自分の彼氏だということは、さすがに分かる。




同じ会社の女性の方と適度な距離で談笑していた。









「……あの人、」




長妻先輩の声に思わずビクッとした。




「……知ってる」




「え、」




「……俺の担当先の人」






"知ってる?"ではなく、"知ってる"。




先輩にとっては取引先の担当だということを、

ただ伝えられただけ。









まだなんとなく、彼氏です、とは言わなかった。



だって別にわざわざ言わなくてもって思ったのと、


先輩にとっての紫耀は、真面目な仕事関係の人だから。



そんな人と付き合ってるとか、

ちょっとだけ、恥ずかしくて言うのが躊躇われた。





ただそれだけ。

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美紀(プロフ) - 毎話、すごくドキドキしながら読ませていただいています!この作品の5が読めないのですが、どうしたら読めるようになりますか?どうしても読みたいです!これからも応援しています! (2019年2月4日 1時) (レス) id: 574ea515dc (このIDを非表示/違反報告)
名無し33431号(プロフ) - いつも楽しみにしてます!頑張ってください!リクエストなんですが、川島如恵留くんとの先輩後輩物の長編が読みたいです。作者様の作品が好きなのぜひ読みたです! (2018年6月4日 0時) (レス) id: 70d27b43b7 (このIDを非表示/違反報告)
かほ(プロフ) - 更新嬉しいです!この小説が今一番好きで更新いつも楽しみにしてます!これからも頑張ってください! (2018年4月6日 16時) (レス) id: 1be2ad1a32 (このIDを非表示/違反報告)
るるぽんぬ(プロフ) - 面白くて大好きです!もう何度も読み返してます〜!更新頑張ってください応援してます!! (2018年3月21日 17時) (レス) id: 7038e95e66 (このIDを非表示/違反報告)
- これから長妻くんとどうなるのか続きが気になります!更新頑張ってください! (2018年2月13日 16時) (レス) id: 5917ef0eb0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:踊れる人大好き芸人 | 作成日時:2017年10月28日 0時

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