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# me
ある日紫耀くんの部屋でご飯を作っていた時だった。
「…なぁ、」
初めて後ろから抱きつかれ、肩に顎を乗せられた。
正式に付き合ってはいない私たちは、家に行ったりデートしたりはしているものの、スキンシップはあんまり無かったから。
驚いた、と同時に包まれる感覚が心地良かった。
「どうしたんですか?」
「"どうしたの"でええよ、」
「え、」
「敬語、やめにして」
「……分かった」
そのまま、お腹に回る腕が強くなって、
「……俺ら、ちゃんと付き合う?」
「……え、」
「……」
「……はい」
ああ、好きな人に付き合おうって言われることってこんなに嬉しいんだって。
「"はい"、やなくてさ」
「ごめんなさい、"うん"ですね」
振り向くと、
「………っ」
顔が近付き、キス、された。
ぼーっと、紫耀くんの整った顔を見つめる。
「…今日、泊まってき?」
「…うん」
初恋ではないけれど、初めての彼氏。
精一杯、好きになろうって、決めた。
そして今度こそ、好きになってもらおうって。
…
「…あ、」
「ええよ、重たいから俺運ぶ」
夜ご飯の鍋を運んでくれる、
一瞬見えた腕の筋肉にドキッとした。
「腕フェチなん?」
見つめていたのが、バレてしまっていた。
「……まあ、それは」
「彼女やから、これからいっぱい触らせてあげる」
ふふ、と見透かすような目線で見つめられ、
「…」
恥ずかしさの余り俯くことしか出来なかった。
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なずな(プロフ) - とても面白い作品だと思います。更新待ってます! (2017年10月19日 17時) (レス) id: 05a55ce506 (このIDを非表示/違反報告)
まき - 面白くて文章力もあって一気に読んでしまいました。それから毎日読んでます。何回読んでも素敵な世界観で。更新を楽しみにしてます!お願いします! (2017年10月11日 23時) (レス) id: 2353cb313a (このIDを非表示/違反報告)
みるくてぃー(プロフ) - とても面白くて、続きがとても気になります。これからもがんばってください! (2017年8月20日 20時) (レス) id: a3bf426d55 (このIDを非表示/違反報告)
きょ(プロフ) - 更新ありがとうございます。とても面白くて楽しみにしています。がんばってください。 (2017年7月27日 23時) (レス) id: cfc1303549 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:踊れる人大好き芸人 | 作成日時:2017年6月2日 12時