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# Sho
「お疲れ様でーす」
「お疲れさまー」
あれから春を迎え、Aより一足先に大学を卒業した俺は、就職先のとあるリテール会社の社員としてオフィスにいた。
「……」
「…ああそれね、」
出先から戻り、デスクに置かれてあった名刺。
「"T産業"さん…？」
「そう。平野くんに次から担当してもらうんだけど、向こうも今年から担当者さんが変わったみたいでついさっき挨拶に来たの」
「…連絡した方いいですかね？」
「ううん。また来るって言ってたしどっちでもいいんじゃない？」
「……ありがとうございます」
「あ、結構若かったよ。
向こうも平野くんと同じ新卒とかなんじゃ…」
「……へぇ」
まじまじとその名刺を眺める。
T産業さんか。
…メーカーってことは営業さんなんかな。
ガチャ、
入社したてでまあまあ時間が作れた俺は、
向こうからまた連絡が来ると分かってはいたものの、デスクに置かれた受話器を手に取り、その名刺に自ら電話をかけた。
『…はい。T産業営業の長妻です』
「あ、お世話になっております。わたくしKIリテイリングの平野と申します」
『え…KIさんですか？』
言われた通り、電話から聞こえた業者さんの声は少し高く若めやった。
「どうも先ほどはわざわざお越しいただいたのに。
外出しておりまして申し訳ありませんでした」
『とんでもないです。こちらこそ事前にお伺いもせず。
…それでわざわざご連絡くださったんですか？』
「ええ、まあ…」
『わ、ありがとうございます。
また是非ご挨拶に伺いたいんですけど、ご都合宜しい日とかってありますか？』
くだけたトーンとまではいかないけど、爽やかなテンションから、先方はほんまに若いしきっと俺と同世代。
…ちなみに、まだ近くにおるんかな？
「…いきなりですけど、今とかは、まだ出先でお忙しいですか？」
何となく、早めに会おうかなと思った。
『え…』
「詰まっていたら大丈夫なんですが、もしまだ近くにいらっしゃるなら、僕の方から伺おうかと思いまして」
『…えっと、僕は大丈夫なんですけど…わざわざ…』
「でしたら行きます。ちなみに今どちらですか？」
『…WU不動産さんのビルの辺りです』
「決まりですね。そこの一階にしましょう今から伺います」
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なずな(プロフ) - とても面白い作品だと思います。更新待ってます！ (2017年10月19日 17時) (
レス) id: 05a55ce506 (このIDを非表示/違反報告)
まき - 面白くて文章力もあって一気に読んでしまいました。それから毎日読んでます。何回読んでも素敵な世界観で。更新を楽しみにしてます！お願いします！ (2017年10月11日 23時) (レス) id: 2353cb313a (このIDを非表示/違反報告)
みるくてぃー(プロフ) - とても面白くて、続きがとても気になります。これからもがんばってください！ (2017年8月20日 20時) (レス) id: a3bf426d55 (このIDを非表示/違反報告)
きょ(プロフ) - 更新ありがとうございます。とても面白くて楽しみにしています。がんばってください。 (2017年7月27日 23時) (レス) id: cfc1303549 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：踊れる人大好き芸人
| 作成日時：2017年6月2日 12時
