検索窓
今日:11 hit、昨日:2 hit、合計:390,453 hit

18 ページ18

「ねぇ。」








廉くんと別れた後、一年の教室に戻ろうと、廊下に出た私を呼び止めたのは、


怜央先輩だった。






「…お久しぶりです。」






先輩は、見下ろすように正面に立っていた。






こんな近くから見るのは久しぶりだけど、やっぱりかっこいいと思ってしまう。




この人がやっぱり好き、そう感じる。










「廉くんと付き合うの?」






「…廉くん?」






「うん。」






「そういう関係じゃ、」






「それじゃ、遊び相手になって満たしてあげるの?廉くんを。」






「…、」






久々に私と会話してくれた先輩は、


ちょっとだけ、冷たい瞳をしていた。








「Aちゃん。」








「…なんで、名前。」








「…。」






そのまま何も言わないかと


思いきや、












「…君、女優だね。」




吐き捨てるように先輩は言った。








「嘘つくの、上手いね、
初めてってのも、嘘だった?」






「え…、」






「好きでもないのに、今度は廉のところ行くんだ。


抱いてくれれば誰でもいいんだね、


Aちゃんって、男に抱かれるために生きてんの?」






「っ、」






「ま、俺には興味ないけど。」








先輩の冷たい瞳、


去り際の靴の音、









目も、耳も、


塞ぎたくなるくらい、


前を向けなかった。

19→←17



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (244 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1087人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:踊れる人大好き芸人 | 作成日時:2017年1月19日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。