雨に濡れた日 (ページ15)

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# Ren

「はぁ、」

ため息をつきながら、教室へと戻る。

部活に行くのに、ジャージを取りに戻らなあかんかった。

「よ、」

親友のながつが、俺の前に現れた。

「…廉くん溜息？幸せ逃げるよ、」

廉くんってなんやねん、
普段みたく廉って呼べや。

そういちいち突っ込まないのは、こいつのゆるいマイペースなところは、十分見飽きてるから。

「もう幸せ逃げとんねん、
今更変わらん。」

「どーしたの。荒れてるね。」

ムシャクシャしてる俺を、面白がるように見下ろす。

「失恋してん。

好きなヤツに、好きな男おるって言われた。しかも俺が知ってるヤツって。」

「へー、じゃあ俺かもそれ？」

「あほ、接点ないやろ、Aと。」

「Aちゃんって言うんだ。
じゃあ知らないかも。」

「…幼馴染でな、中学ん頃好きって気付いてんけどな、

高校入ってから告白しよう思ってたら、

まんまと他のヤツ好きになられてたわ、」

「一途だね、廉くんは。」

「お前とは違うからな、

ってかな、最悪なんが、俺、Aに誤解されててん。

彼女でもない女の子と、そういうことしまくってるって。」

「俺みたいに？」

「そう、

ほんま俺らイメージと実際のところ、逆やと思わん？」

「どういうこと？」

「お前は一見大人しそうに見えて、裏ではアホほど遊んでるやん、」

「言い方悪いよ、否定はしないけど。」

「俺はめっちゃ一途やのに、遊んでるって思われてる。」

「まあまあ、なんでだろうね、」

ながつは余裕そうで。