悪役がやり直す系のモブキャラです

40 ページ46

「どうぞどうぞ連れて行ってください」
『え』
rbr「さよか！ありがとうなぁ、ほな行こか」

　鼻唄を歌って上機嫌のロボロに引き摺られるまま、私の拒否権はどこに行ったのだと項垂れる。

rbr「どこで食う？」
『ろ、ロボロ…地味に久しぶりですね…？』
rbr「あ、せや。あれからAと会えてへんから、教室に突撃してん」
『そうですか、今度からは来ないでほしいのですが…』

　女子の視線が痛いからなぁ、と思いながらやんわりと頼めばロボロは足を止め、首を傾げた。

rbr「え、なんで？」
『ロボロのファンの方に見られたら刺されます』
rbr「そないなことになりそうやったら俺が守るわ」
『え』
　
　突然の男らしい発言に、足を止める。
　そんなこと言われたら余計に女子に睨まれるのですが。

rbr「シャオロンから聞いてん、ノーラさんとちょっといざこざがあったんやろ？」
『…あぁ』

　昨日の昼休みのことか。昨日も思ったが話が広まるのは早いなぁ。

『でも、ノーラさんは停学になったのでしょう？』
rbr「せやけど安心は出来へん。あんさんもさっき言うとったやん、他にも俺らのこと好いてるやつはおる」
『自分で言うんですね』
rbr「べ、別にわしがっちゅうわけやなくて、彼奴等がってことやから！」

　動揺したことによってか、突如変わった一人称に、思わずくすりと笑う。
　
rbr「笑わんくてもええやん！」
『ふふ、すみませ＿＿＿＿』
rbr「？どしたん？」

　突然口を閉ざす私に不思議そうに尋ねるロボロ。
　私の視線は彼の向こう側から歩いてくる女子生徒に釘付けである。

rbr「？…あ、グルさんの婚約者やん」

　き、きた…！元悪女さんだ、初めてこんな近くで見た……めっちゃ顔整ってる、ノーラさんは可愛い系だけど元悪女さんは綺麗な顔立ちだなぁ。
　
　原作では当初ドリル巻きだった金髪は、サラサラのストレートになってキラキラと光を反射させながら靡いていた。
　流石、真のヒロイン。美しさの格が違うし、なんなら薔薇のエフェクトが目に見えるようである。

rbr「はぇー、やっぱ綺麗やなぁ」
『ほんと、美しいですね…』
rbr「うーん、せやけど高嶺の花って感じすんな」

　ロボロ、貴方もかなりの高嶺の花ですが？

『きっとグルッペン様と並ぶと美男美女なんですね…』

　早く見たいな、その二人の並ぶ姿。ていうかそれだけじゃなくて、他の攻略対象との組み合わせも。
　もしかしたら今ロボロと元悪女さんの何かがみれるかもしれない。

41→←39

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す