第69Q ページ33
テツヤに先に教室に戻ってもらい、私たちは屋上へ行った。
火「A、本当にどうしたんだよ。なんか、おかしいぞ。」
着くなり彼が話しかけてくる
『自分でも分かってるよ・・・。』
火「じゃぁなんで・・・」
『理由がわからないの。
分からないから、困ってるんじゃんか。』
大我が珍しく真剣な顔をしていた。
火「言ったみろよ。まとまってなくても。思いついた言葉全部。」
全部聞いてやるから、とベンチにドカっと座った大我を見て、私はその隣に腰掛けた。
1度深く息を吸う。
『何が何だか、分からないの。
でも、変わらず、心の中にずっといて
言いたいのに、言葉が出てこなくなるの。
もどかしくて苦しくて、忘れたいのに消したいのに、何故かまた戻ってくる。』
そこで言葉につまる。
すると、呑気そうな大我の声がした。
火「あー、、あるよなぁそゆとき」
頭を掻きながら言う彼に、ちゃんと聞いてるの?と聞くと、聞いてるよと返ってきた。
火「お前が何かわからないものは、俺にもわからん。
けど、ひとつ言えるのは、そういう壁にぶち当たって、上手く言えない感情が疼いてるときって、大体、気づいてないふりをしてるんだ。」
は?気づいてない、ふり?
火「本当は気づいてるのに、プライドだったりとかが邪魔して、気づかないんだ。無意識に気づかないようにしてんの。」
全身に電流が流れたような衝撃が走った。
火「A、お前、本当は、全部気づいてるんだろ」
じっ、と私を見据えて、大我が言った。
火「ただ、何かが邪魔してんだ。
そうだな、例えば
プライドとか
約束とか」
約、束・・・?
っ!!!?
桃「それじゃ、今ここでテツ君のことは好きにならないって約束してくれる?」
桃「今日からあなたは、私のライバルって私が勝手に決めたから」
ストンと、何かが落ちた気がした。
火「って!何泣いてんだよAっ!??」
泣い、てる?
頬に温かいものが伝っているのに気づいた。
あぁ・・・
『気づいちゃったよ・・・大我、どうしよう。
また、隠さなきゃ』
火「・・・は?」
『やっぱり、気づいちゃダメだったんだよ。
私が苦しいだけだったんだ。』
ごめん、ありがとう、と言い残して、そこを去った。
気付いてはいけなかったんだ。
私がテツヤを好きだなんて。
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涸萌佳雨(プロフ) - はい、ありがとうございます!インフル、怖いですよね・・・。私、結構風邪とか引かないけれど、気をつけます!実際、油断してこの間、肺炎になってしまったのでw受験頑張ります、コメントありがとう! (2019年11月4日 23時) (レス) id: 2d8366773d (このIDを非表示/違反報告)
白雪 麗華 - 受験、大変ですね。これからインフルも流行ってますし、今年のインフルは中々治らないので自分の体長管理に気を使って下さい。私は今高校二年生で受験の大変さが凄く分かります。しっかり勉強しっかりしてしっかり睡眠もとって下さいね。 (2019年11月4日 15時) (レス) id: 7bbb3379fc (このIDを非表示/違反報告)
涸萌佳雨(プロフ) - 綾さん» 応援ありがとうございます!! (2019年10月14日 14時) (レス) id: 2d8366773d (このIDを非表示/違反報告)
綾 - ガンバ!? 面白いです。これからも見てます (2019年10月14日 9時) (レス) id: 21c3761e82 (このIDを非表示/違反報告)
涸萌佳雨@Project KZ(プロフ) - 輝夜さん» はい…! (2019年10月6日 9時) (レス) id: 2d8366773d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:涸萌佳雨 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/amemoyiu722/
作成日時:2019年8月26日 1時