猫と、あなたと、私と、3【マホト】

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「アメ、」


大人しく戻ってきたアメを
手招きをすると
ぴょんっとソファに飛び乗る



私の首にかかるそれに
スリスリと顔をこすりつけて
また小さく鳴いた。



マホトのってわかってるのかな、
それとも彼の匂いでもするんだろうか。


そっとアメの体を抱きあげる
チリン、と鳴ったのは
いつの日かマホトが買って帰ってきた
鈴つきの首飾り



嫌がることなく、むしろ嬉しそうに
それを鳴らしながら歩くアメに
マホトはひどくデレデレだった。



チリン、チリン、



アメが動くたびになるその高い音
それがなんだか心地よくて
抱き上げたアメをそっと下ろし
そのままソファに横になった。



ほんのすこしだけ開けた瞳から
窓の外を眺める、
寝転がっているからその景色は
ひっくり返って見えて



「・・・・・・・はれ」



晴れている、
それはもう、ピカピカに



いつもは嬉しいその天気が
今日はものすごく、どうしようもなく
嫌だった。



今日は約束の日だったのに
マホトがくれた素敵な日だったのに



なんで晴れなの



「バーーーーーーカ！！」



吐き出した言葉は
誰もいない広い広いリビングに
響いて、消えていった

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